神柱って知ってる? (ページ11)

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姉のためにページ11

そんなことを考えていると

自分が一番嫌いな気配が近づいているのに気付いた

獪「…チッ」

顔を思い出しただけでも腹が立つ

イライラとした感情がたまっていく中

獪岳はつい最近の姉弟子との会話を思い出していた

――
―――
――――

『獪岳

　顔怖いよ』

そういって膝カックンをかましてくる姉弟子に
軽く殺意を抱いた

けれどそれは以前のようにドロドロとしたものではない

姉弟子の継子になってからというもの

そういったことが増えたように感じる

いやな気持ちはしない

『ねえ獪岳』

名前を呼ばれて

巡らせていた思考をとめる

『あのさ

　ほかの隊員と無理に仲良くしろとは言わないから

　せめて

　最初からつっかかりにいくの位はやめたら?』

ばれてた

そう

獪岳は近づいてくる隊員がいれば

すぐに睨むガンをとばす

そのせいで獪岳についてのいやな噂はむしろ増えたが

そんなことよりも姉弟子に変な虫をつかせないことのほうが大事だった

まああそこまであからさまなら気付くよな

つうか気づいてんなら

誰彼構わず笑顔見せんなよ

と逆切れ気味の獪岳だったが

『誰彼構わずって

　笑顔は会話の基本でしょ』

と返されてしまった

ぐうの音も出ない

会話はそこで途切れ姉弟子のお願いに対して何も答えを言わなかった獪岳だが

あれから少しは誰彼構わず睨むのをやめたのだった

少しは

――――
―――
――

そんなわけで

世界一嫌いなクズが相手だろうと我慢しなければしけない

継子である自分の態度は師範である姉弟子への評価に繋がるのだと

最近自身の苦手な盲目の柱にくぎを刺されたのもある

耐えろ耐えるんだ俺

つうーかどっか行けよ失せろクズ

こっち来んじゃねえ

あー!! 早く来てくれA!!!

「ひ、久しぶり兄貴」