第33話 ページ34
夢主side
なんでこんなとこに先生がいるの？
てか今までの見られてたのかな…
天月さんと手を繋いでいたところも…
そう思うと何故か妙に焦ってしまう
貴「…っ、先生…さっき天月さんとは…その！」
歌「ちょっと来て」
言葉を遮るように先生が言うと同時に腕を掴まれ歩き出す
先生は怒っているのか早足でズンズン進んでいく
私はどうしていいかわからず先生についていくのが精一杯で
やっと先生の動きが止まったかと思うと壁に追いやられた
いわゆる壁ドンというやつだ
いや…
少女漫画とかでよく見るけど
想像以上に近い
自分でも顔が熱くなるのがわかる
歌「天月くんと何してたの…」
貴「っ…先生には関係ない…///」
そう言うと先生の顔がさらに歪む
歌「また遊び…？僕の友達にまで手を出すとか最低だね」
ズキン
なんで….違うのに…
天月さんとはただの顔見知り程度で…
貴「…違う…天月さんとはそういうんじゃない…」
声が震える
気がつくと頬に暖かいものが伝っていた
貴「……ごめんなさい、私っ…帰る！」
私はその場にいたたまれなくて
先生と壁の間をすり抜けようとした
だけど腕を掴まれたまま逃げる事は出来るわけなくて
さらに私の腕を掴む手に力がこもる
歌「……じゃあ、なんでっ」
答えてもきっと信じない
今までの私のしてきたことだ
こんな私のこと信じるわけない
貴「…ほんとなんでもないから……」
歌「…っ」
グイっ
突然腕を引っ張られ
唇に柔らかい感触を感じる
貴「んんっ///」
それは突然のことで
あの時と立場は逆で先生からキスされた
強引でだけど優しいそんなキス
そっと唇が離れる
歌「……ほんと馬鹿みたいだ…」
そう言うと掴まれた腕が緩められ
一瞬悲しそうな顔をして
先生が離れていく
先生はそのまま振り返りもせずに帰って行った
私はと言うと
腰が抜けその場にへたりこんで
真っ赤になった顔を隠している
まだ心臓がうるさい
掴まれた腕は少し痛いけど
不思議と嫌じゃなかった
ああ
今ならわかるかもしれない
あの時先生に腹が立ったのも
あの時の言葉が悲しかったのも
きっと私は
ずっと…
先生のことが好きなんだ…
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作者名：ぞん。 | 作成日時：2014年11月24日 14時
