勝負 ―４― ページ4
「……コウジ……」
「じゃあ、俺の奥さんは俺のことなんて呼んでるか覚えてるか？」
「課長？残念ながらその手には乗りませんよ！」
大野さんが、あ！って言う。
「レイコさん、コウさんって呼んでた！」
翔さんが目を丸くして課長を見てる。
ちょっと待ってよ。なにこれ。
みんな降参って言わせるんじゃないの？
コウサンって言わせればなんでもいいってこと？
Aさんがバカでなくてよかった！
バカだったらすぐ言っちゃうよ、これ。
「がーっかり……コウサンって言わせてつまんない勝負を無効にして仕事しろって言わせたかったのに……」
課長が、課長の権限で言えばいいんじゃないの？って位まともなことを言って引き下がる。
「ね、Aさん？今度一緒にワインでも飲みにいかない？」
潤くんがニッコリ笑ってAさんに話しかける。
「いいよ、カズも一緒なら行く！」
ちょっとちょっと今の聞きました？
おれのことすっげ好きみたいじゃなかった？
打ちのめされろ、そして無力感に脱力しろ、ほれ。
ちょっとドヤ顔で翔さんを見たら、どこ吹く風。
どれだけ心臓が強いんだ！
「ワインって体にいいでしょ？脂肪を燃焼したり血液サラサラにしたりしてさ。ポリフェノールって、何作用の働きがあるんだったっけ？」
潤くんの、いたずらっぽい笑顔。
Aさんの口が、『こ』って感じに開こうとする。
「あああ！抗酸化作用ね」
Aさんが答えるより先に答えてやる。
「言うなよニノ」
「言わせてたまるか」
「あ、そう来た？Aさんをガードするってことね？」
「仕事しろー」
課長がうらめしそうにこっち見てる。
「ちょっと櫻井。お前わかってんの？」
課長がちょっとだけ怒ってる。あたりまえ。
「じゃあ、勤務時間外でだけ有効ってことにします」
翔さんがしぶしぶ、言う。
当たり前だ。仕事が手につかないよ！
「じゃあ、今Aちゃんが降参って言ってもノーカウントってことね」
相葉さんが笑いながら言う。
「よかった。Ｎ興産に連絡しないと」
Aさんが平然とコウサンって言ってるのを聞いて翔さんがハッとしてる。
「しまった、その手があったんだ！A、今日どことどこのアポをとるんだっけ、とか言えばよかったんだ、くっそー！知ってたのに！」
なんて汚い人なんだ。言葉が出ないよ！
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あき(プロフ) - はじめまして、あきと言います。軽快な会話のやり取りに引き込まれあっという間に読んでしまいました！これからも素敵なお話をお願いします！楽しみにしてます！ (2015年9月16日 7時) (
レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
。*チョコ*。(プロフ) - はじめまして！このシリーズ、読みながら笑っちゃう部分があったりして、すごく面白いです！でも…キミ、ウラがどうやっても出てきません…URL貼ってもらえませんか？？ (2015年2月24日 0時) (レス) id: 7fcb3dc3f9 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とても楽しく読ませてもらいました。キミ・ウラのことなんですが、調べても出てこないんですかどうすれば見れますかね？ (2015年1月21日 0時) (レス) id: 669c637f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - すみません。下のコメントですが、いけました！なので無視してください、笑。 (2014年9月28日 2時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - 初めまして♪すごいおもしろくて一気にここまで読み進めてしまいました、笑。キミ、ウラのこと何ですが、作品一覧でもなくて、どういう形でも一時的でもいいのでURL載せて頂けませんか？我が儘すいません！次回更新も楽しみにしてます(´∀`*) (2014年9月15日 1時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年4月30日 14時
