独立騒動の巻 ５ ページ19
「じゃあ先輩、こねこちゃんに宜しくねー」
相葉くんの声がして振り返ったら、大野さんがもう走り出していた。
「ああ、行っちゃった……」
「なんなの！なんなのAさん！大野さんに彼女出来たからってやっぱり大野さんが良かったなーとか思ったりしてんの」
カズが、むーって顔して、ジーって見てる。
「そうそう！そうなんだよ！だからさっさと別れろ！」
櫻井くんが真面目な顔でヤイヤイうるさい。
「ちがうんだよー、Aちゃんはね、大野さんの独立するって噂の真相を聞きたいだけなんだってー」
「ナニソレ」
カズが相葉くんを見上げて眉間にふ、とシワを寄せる。
「……あ、でもそう言えば」
カズが拳をあごにあてて、んーって言ってる。
「場所とか、必要な機材とか、資金もなんでも相談にのるから、何でも言ってね、って言われてた」
「……どこに？」
「どこだっけ？」
カズが鞄をごそごそして名刺入れを探してたら、松本くんがお待たせ！ってやって来た。
「お疲れさま！ありがとう。一人で大変だった？」
「いいよ、Aさんやることいっぱい残ってたでしょ？別行動したら早いよね？」
松本くんとペアになって、２週間。
信じられないくらいスムースに仕事がはかどってる。
もしかしたら櫻井くん以上かも。
必要以上に踏み込んでくる人をあしらうのが上手すぎる。
あんまりしつこいと、眼差し１つで黙らせる。
それで、フワッと笑って、参ったなーって可愛い声でポリポリってやって、お願いしますよ、ね？って。
櫻井くんはその場の駆け引きがビックリするほど上手かったけど、松本くんは自分の意志を通すのがうまい。
相葉くんは相手の懐に入り込んで、相葉くんの言うことは断れないよーってタイプだし、
カズは、相手がカズの気を引きたくて堪らなくなるというか。
つまんないって顔して、興味のわく話に水を向けたときのカズの、キラキラな可愛さにみんなやられちゃう。
大野さんは。
あの飄々とした癒される雰囲気から、突然繰り出される鋭いかっこよさに、みんな息を飲んで、もっとこの人と一緒に仕事したいって。
やだ。
誰が欠けても嫌だ。
営業一課の、チーム櫻井？に、誰が欠けても嫌なの。
いやだ。
また涙がじわーって込み上げてきた。
「A、ほら、行くぞ」
櫻井くんがやっぱり一番に気付いて、私に手を伸ばす。
その手を手刀でヤア！ってやってるカズを見て、ちょっと笑った。
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あき(プロフ) - はじめまして、あきと言います。軽快な会話のやり取りに引き込まれあっという間に読んでしまいました！これからも素敵なお話をお願いします！楽しみにしてます！ (2015年9月16日 7時) (
レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
。*チョコ*。(プロフ) - はじめまして！このシリーズ、読みながら笑っちゃう部分があったりして、すごく面白いです！でも…キミ、ウラがどうやっても出てきません…URL貼ってもらえませんか？？ (2015年2月24日 0時) (レス) id: 7fcb3dc3f9 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とても楽しく読ませてもらいました。キミ・ウラのことなんですが、調べても出てこないんですかどうすれば見れますかね？ (2015年1月21日 0時) (レス) id: 669c637f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - すみません。下のコメントですが、いけました！なので無視してください、笑。 (2014年9月28日 2時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - 初めまして♪すごいおもしろくて一気にここまで読み進めてしまいました、笑。キミ、ウラのこと何ですが、作品一覧でもなくて、どういう形でも一時的でもいいのでURL載せて頂けませんか？我が儘すいません！次回更新も楽しみにしてます(´∀`*) (2014年9月15日 1時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年4月30日 14時
