勝負 ―13― ページ13
「あの……」
「んー？」
翔さんに、声をかける。
「ありがとうございます、守ってくれて」
「営業一課は俺のものだからな」
「課長も？」
「うん。課長も俺のもの。いづれ部下になるひとだから」
なにその自信。
「部長は？」
「ただのメタボ」
ぐふ。部長嫌いなの？
好きなやつ居ないだろうけど。
「俺のAって、そういう意味だったの」
「まぁ、うん。それでいいよ」
「ちょっとは違う意味も入ってる？」
「異性だからな。Aオッサンだったら良かったのに」
「じゃ、俺が異性だったら？」
「オッサンだったら良かったのにって思いながら可愛がるんじゃない？知らない」
ＰＣをじーっと見てる翔さんを見下ろしてたら、暫くしてふと、俺を見上げる。
「なに」
「意味わかんない」
「……つまり。俺は全員のスケジュールというか、どういう状態なのかって知っときたいというか。だからAと進展したんなら俺に報告しろよ」
つまんなそうに、言う翔さん。
「邪魔してたのって、そういうこと？」
「邪魔？してないけど」
「してるよね？」
「監視してることが邪魔になるんなら、まあそうかもな」
翔さんがうすーく、笑う。
「今度から全然頼りにならない相葉さんじゃなくて松本くんがAのペアになるから一々連絡報告相談に来てくれるだろ、ホッとした」
「……」
「Aの精神状態とか、松本くんなら女性に慣れてるからわかるだろう？これで俺のチームは満遍なく把握できる」
「何のために」
「士気をコントロールするために決まってるだろ、言っとくけど俺が取締役になるまでお前たちは俺の駒になってもらう」
「馬車馬のように働け、と？」
「アメとムチの使い分け？女は難しいよな、Aがオッサンならよかったのに。あれだけ仕事が出来るんなら無下にもできない」
どこまで本気？
どこまで本気でいってんの？
「まだ、なにか？」
「今日もAさんちにかえろーっと」
「……おいこら！やめて！お願い！」
「報告したのに！」
「俺の士気を下げるな！」
翔さん、ワケわかんない。
ふふーんって笑いながら席に戻ったら、Aさんが椅子に乗っかったまま、すいー！っと俺の横に来る。
「あら。Aさんじゃないですか」
「あら？奇遇ね、カズ？」
「なに？」
「私のこと愚痴ったの？女の子に？」
「Aさんがつれなくて寂しいとは言いましたけどね？慰めてみたいなね」
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あき(プロフ) - はじめまして、あきと言います。軽快な会話のやり取りに引き込まれあっという間に読んでしまいました！これからも素敵なお話をお願いします！楽しみにしてます！ (2015年9月16日 7時) (
レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
。*チョコ*。(プロフ) - はじめまして！このシリーズ、読みながら笑っちゃう部分があったりして、すごく面白いです！でも…キミ、ウラがどうやっても出てきません…URL貼ってもらえませんか？？ (2015年2月24日 0時) (レス) id: 7fcb3dc3f9 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とても楽しく読ませてもらいました。キミ・ウラのことなんですが、調べても出てこないんですかどうすれば見れますかね？ (2015年1月21日 0時) (レス) id: 669c637f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - すみません。下のコメントですが、いけました！なので無視してください、笑。 (2014年9月28日 2時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - 初めまして♪すごいおもしろくて一気にここまで読み進めてしまいました、笑。キミ、ウラのこと何ですが、作品一覧でもなくて、どういう形でも一時的でもいいのでURL載せて頂けませんか？我が儘すいません！次回更新も楽しみにしてます(´∀`*) (2014年9月15日 1時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年4月30日 14時
