勝負 ―12― ページ12
「川岸さんだよね？ニノと浮気した？」
潤くんがキッラキラのスマイルで聞く。
「あ、そうそう！リバーサイドさんだ！やっと思い出した！スッキリした」
俺がそう言ったら、川なんとかさんがポロポロ泣いてる。
潤くんが川なんとかさんの頭をポンって撫でて、顔を覗き込んで言う。
「同期の女の名前を一向に覚えない酷いニノなんかやめて、俺にしといたら？俺の４番目の彼女にしてあげる」
「お前！」
ぽんちゃんが今度は潤くん目掛けて切れだした。
「おっとそこまでだ。俺の松本に指一本触れてみろ、お前を離島に出向させてやる」
「は？」
「とくに松本はダメだ。こいつはね！重要な役割を担って貰うことが決定してるんだから！俺の千里眼になってもらう予定なんだ！」
「櫻井さんって、変人だったんだな……」
ぽんちゃんが呆気に取られてる。
「誉め言葉と受けとる」
「え？違……」
「もしそれが！仮に悪口だとしたら」
だとしたら？
ドキドキ。
「来週かな？週明けに出勤したらお前の席は無いと思え」
だから！そんな権限あなたには無いでしょ！
いや、無いよ、無いはず！
だけどね、あなたが言うとそんな気もするから怖いんだってば。
「……お忙しいところ、失礼しました」
ぽんちゃんがくるっと背を向ける。
「ちょっと待ってぽんちゃん！泣かないで？もっといい女の子紹介したげるからさー。ほらほら、俺のコネで読モの子の……」
なんて相葉さんの声が遠くから聞こえる。
「カズ？川なんとかさんをシステム部まで送って来なさい。話はそれから」
Aさんが雪女か！ってくらいの氷柱のような目で俺を見て、言う。
「リバーサイドさん、行きましょ」
俺がそう言ったら川なんとかさんが首を振る。
「え？」
「二宮くんには相談に乗って貰いたかっただけなの！お互い辛いねって、励まし合いたかっただけ……だってわたし、松本くんが……」
「マジ？４番目の彼女になる？」
なんて言いながら川なんとかさんの背中にそっと手を回して出口に促す潤くん。
俺、なんだったんだ。
フラれた？
「ニノ、ドンマイ」
大野さんがぐふふって、笑ってる。
「励ましありがとう……」
「びっくりした……もうやだ……」
Aさんが机の上にぐにゃーってなってる。
翔さんが大きなため息を吐いて、気を取り直して仕事に取りかかってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1628人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あき(プロフ) - はじめまして、あきと言います。軽快な会話のやり取りに引き込まれあっという間に読んでしまいました！これからも素敵なお話をお願いします！楽しみにしてます！ (2015年9月16日 7時) (
レス) id: cc888f66ce (このIDを非表示/違反報告)
。*チョコ*。(プロフ) - はじめまして！このシリーズ、読みながら笑っちゃう部分があったりして、すごく面白いです！でも…キミ、ウラがどうやっても出てきません…URL貼ってもらえませんか？？ (2015年2月24日 0時) (レス) id: 7fcb3dc3f9 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とても楽しく読ませてもらいました。キミ・ウラのことなんですが、調べても出てこないんですかどうすれば見れますかね？ (2015年1月21日 0時) (レス) id: 669c637f3f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - すみません。下のコメントですが、いけました！なので無視してください、笑。 (2014年9月28日 2時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - 初めまして♪すごいおもしろくて一気にここまで読み進めてしまいました、笑。キミ、ウラのこと何ですが、作品一覧でもなくて、どういう形でも一時的でもいいのでURL載せて頂けませんか？我が儘すいません！次回更新も楽しみにしてます(´∀`*) (2014年9月15日 1時) (レス) id: ad37850f52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作成日時：2014年4月30日 14時
