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ここ美味しいって聞いたことあるってAさんが言って、順番を並んでる間も、普段の俺なら並ぶってこと自体ちょっと無理なんだけど、
並んでいる約30分間があっという間だった。
寧ろ「２名様でお待ちの櫻井さま、お待たせ致しました」って言われたとき、手をぱっと離されて、ガッカリした。
これは、恋か？
単純すぎる自分にちょっと落ち着け、と言い聞かせる。
相手はAさんだぞ？
あの、Aさんだぞ？
キモいって有名な！
今目の前に居るAさんは、髪の黒さも個性の表れって感じだし、への字口はにこやかに弧を描いていて、普段は見えない眉も、困ったみたいな優しい感じで。
「髪、染めないの？」
ちょっと聞いてみる。
「これ染めてるのよ。ブルーブラック」
「何故！」
「染めなきゃ髪の毛茶色くなってくるの」
「そこまでする理由……」
「染めてるの？って聞かれるのがウザい」
「……」
「あ、高校のときね？私これにするー」
「おっと俺も選ばなきゃ。じゃ俺はこれにしようかな、すみませーん」
店員さんを呼んで注文してる間、俺のことをじーっと見てるAさん。
「……そんなに見つめないでー」
「どうして今まで知らなかったのかな」
「へ？」
「もっと早く仲良くなればよかった」
Aさんが悲しそうに言う。
「俺は前からなんとなく気になる存在だったけど。同類かなーって」
「……」
「本気出してないというか、ちょっと周りの人と距離置いてるのとか、なんか似てるのかなって思ったり、してた」
「そうね、それは、気づいてたよ」
「異質な感じはしたけど。それこそ灰にまみれた姫だったわけで」
「……シンデレラ？」
「シンデレラ」
「……それ言うなら、シンデレラは翔くんだよね？私が魔女だよ！」
Aさんが楽しそうに笑う。
「俺はAさんを変えること出来ないの？」
かるーく、口説いてみる。
「翔くんは、魔法使えないでしょー」
全く伝わらない！
「……王子になれないかなーとかー……」
再チャレンジ！
「あなたの姫はうちの会社の階段上がってすぐに座ってる受付にいるでしょ！」
おっと、完全に玉砕。
「階段上がるパターン？俺のガラスの靴は何処に脱いどけばいいの？」
「履いたままでいいんだよ……シンデレラ、あれ計算だったと思うんだ私」
Aさんがおしぼりを丁寧に畳みながら、意地悪っぽく言う。
「そんな！なかなかの穿った見方」
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みらしゅ(･(ｪ)･m)(プロフ) - 凄くいい作品です！時々読み返したくなるので、消さないでほしいのが願望です。ファンタジーで、今までの小説で一番好きです！シンデレラが好きになりました！ (2016年7月31日 2時) (
レス) id: f41e8b74ae (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 家族ゲーム (2014年5月17日 14時) (レス) id: 97cf9039f6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - こんばんは。はあぁ、幸せなお話でした(*^^*)目覚めた翔くんにドキドキして、残念な翔くんが愛しくて。ビビディバビディブー☆☆素敵な魔法ですね！これから彼女side読んできます(^^) (2014年5月15日 23時) (レス) id: f18cef468b (このIDを非表示/違反報告)
レモネード(プロフ) - 面白かったです！才能が…分けて欲しいくらいです！これからも楽しみにしてます！！ (2014年5月12日 19時) (レス) id: a914512a26 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - kobajさん» マジですか。ありがとうございます。嬉しい。テンポがいいっていわれるのがほんと嬉しいです。こっちは完全にコメディ風で、彼女sideはちょっと後半切ない感じになりそうです。またよろしくお願いします！ (2014年5月9日 20時) (レス) id: 64468d89e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
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作成日時：2014年4月15日 11時
