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「Aさんがいい」
……。
Aさんが立ち止まって俺を見上げる。
頬が、歪む。
どうして、そんな顔をする？
「俺の素を知ってくれてるの、今はAさんしかいないんだもん。他にもっと若くて可愛い子いたらそっちに頼むけど！」
「悪かったわね！若くない上に可愛くなくて！」
あははって笑って誤魔化した。
Aさんが、何かに怯えてるのはわかったよ。
けどさ。
そんな、拒否らなくてもいいでしょ。
大きな、ため息。
「Aさん？」
「あと、３ヶ月？」
「……え？」
「あと３ヶ月しかないんだね、がんばらなきゃ！まりりんとくっついてもらわなきゃ！」
「あと、３ヶ月？」
「うん。あと３ヶ月後、翔くんは確実にわたしのこと嫌いになるからね。それまでに」
嫌いになる？
なにそれ。
「……え？」
「絶対に、嫌いになるからね」
「そんなわけないですよ？俺、あんまり人を嫌いになったりしませんけど」
「……」
「根がほら、ポジティブにできてますんで……Aさん？」
目が合う。大きくて綺麗な目。
「翔くんは、必ず私を嫌いになる」
これは、なんだ。呪いか？
「絶対嫌いになりません」
目を、反らさない。そらしたら、負け。
Aさんも反らさずに、ずっと俺の目を見ていたけど、いきなり慌ててくるりと背を向けた。
「Aさん？」
「お人よし」
あれ？なんか責められた。
まあいいや、褒め言葉だと受け取る。
「Aさん、俺って何色のネクタイ似合いますかねー」
話を、誤魔化す。
「……バーガンディ」
「それなんか聞いたことありますよ！えっとね、臙脂でしょ！」
「ワインレッドだよ？臙脂って」
「じゃあシャツは？」
「チャコールグレー」
「……グレーのどの辺でしょうか。この辺？この辺？」
上と、下を指さす。
「それって、明度？上が白？」
「うん」
「じゃあ下の方」
「ほほう。ホストっぽくない？」
「……そっか、今の見た目だとホストっぽいかも！シャツは明るいほうがいいかもね」
「逆にシャツをバーガンディ」
「……いやそれは」
楽しいんだけど。さっきの言葉がトゲのように。
翔くんは、必ず私を嫌いになる
それってどういう意味なんだろう。
あと３ヶ月ってなんだろう。
それまでにまりりんとくっつけるとか。
もやもやする。
なにこれ。
あと３ヶ月後に、何が起こるというの。
もやもやが、侵食する。
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みらしゅ(･(ｪ)･m)(プロフ) - 凄くいい作品です！時々読み返したくなるので、消さないでほしいのが願望です。ファンタジーで、今までの小説で一番好きです！シンデレラが好きになりました！ (2016年7月31日 2時) (
レス) id: f41e8b74ae (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 家族ゲーム (2014年5月17日 14時) (レス) id: 97cf9039f6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - こんばんは。はあぁ、幸せなお話でした(*^^*)目覚めた翔くんにドキドキして、残念な翔くんが愛しくて。ビビディバビディブー☆☆素敵な魔法ですね！これから彼女side読んできます(^^) (2014年5月15日 23時) (レス) id: f18cef468b (このIDを非表示/違反報告)
レモネード(プロフ) - 面白かったです！才能が…分けて欲しいくらいです！これからも楽しみにしてます！！ (2014年5月12日 19時) (レス) id: a914512a26 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - kobajさん» マジですか。ありがとうございます。嬉しい。テンポがいいっていわれるのがほんと嬉しいです。こっちは完全にコメディ風で、彼女sideはちょっと後半切ない感じになりそうです。またよろしくお願いします！ (2014年5月9日 20時) (レス) id: 64468d89e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年4月15日 11時
