32 ページ34
「私らしいって何？私らしいって何よ！」
Aさんがビックリする位大きな声を出す。
「……え？」
「カズは！カズは私の何を見て好きとかいってんの？何？何を見て私のどこが好きなの？」
「……はぁ？」
「あのね！私ってね、ずっと男らしいとかオッサンとか色気ないとか、なんでも思ったこと言うとか家庭的なとこ無さそうとか言われてて」
「ああ、そうね」
「可愛いげがないとか、何事にも動じないとか、デリカシーがないとか、色気がないとか言われてて！」
「色気は２回も言ってるよ！」
「ああ、一番気にしてるから……もし、カズがそういう私が好きなら、そうしなきゃって思ってて……」
Aさんがそこまで言って、すとん、と座る。
「好きな人と両想いになって浮かれちゃう私なんて私らしくない？」
「……」
「パジャマくらいならお揃いでも別に恥ずかしくないかなーとか……やっぱり私らしくないよね？お揃いなんてね」
「……Aさん」
「料理だって嫌いじゃないよ、作る暇ないだけで……この部屋だって、意外と明るくて優しい部屋とか言われるから人入れないし……」
はぁ、ってため息を吐く。
「前に彼氏できた時だって、思ってたのと違うとか言われて、それがもうどうしようもなくて……困って困って別れたくなるし」
「……」
「櫻井くんだって、付き合ったらきっと、キスするだけで一々緊張して怖くてドキドキして心臓飛び出しそうになってる私を見て、こんなのAじゃないとか言うよねきっと」
「はぁ……なんで翔さん……」
「例えばの話だよ！」
「で？」
Aさんが、泣いてるみたいな顔で俺を見る。
「自分で言うのも変だけど、かっこよくてスマートで仕事もできて、頼れるお姉さんってのが好きで付き合ってんだよね？」
「……」
「なのについ嬉しくて、浮かれてはしゃいじゃったりして……涙とかも勝手に出てくるし……泣きたくないのに」
Aさんが床に座って近くにあったクッションを抱きしめてる。なんという、勘違い。
「おれがAさんらしいなーって思うとこ言うよ？」
「うん」
「ほんとは全然オッサンじゃない可愛い女の人なのに自分のことオッサンって思ってるとこでしょ？」
「……」
「すっげ色気振り撒いてんのに自分は色気無いって思い込んで隙だらけで、周りに上手く言いくるめられてて危なっかしいとこね。」
Aさんが、ぽかーんって顔をして、え？とか言ってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1996人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みづき(プロフ) - 先が気になって気になって、すぐ読んじゃいます。楽しみをとっておこうと自分を押さえるのが大変です(笑)カズは可哀想ですが、ガチ翔さんが素敵です(*^^*)続き楽しみにしております！ (2014年3月12日 19時) (
レス) id: a9cf17be3d (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - ゆりさん» ああー…駄々漏れてますか……移行先でもうちょっと揉めます。カズが可哀想になるかもしれませんがお付き合いくださると、ありがたき幸せ！ (2014年3月11日 20時) (レス) id: 923d655729 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - ユキエさん» 作者が翔さん担当なもんで、ついついついつい。ついついついついー！くっ付けたくなる！たすけてえー！(笑)まぁ、タイトルにカズが入ってるのでこればっかりは！(笑) (2014年3月11日 20時) (レス) id: 923d655729 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - シーナさん» 申し訳ありませんがそのご要望だけは聞き入れかねます。もし誰が何を話してるのかわからないなら、それは私の力不足です。私が書きたいのは小説なので申し訳ありませんが、ご了承ください。 (2014年3月11日 19時) (レス) id: 923d655729 (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - キルアさん» はじめまして！ありがとうございますー！いつまでもわちゃわちゃしながら、ガチの翔さんと智さんを書くことになりましたので、移行先でもどうぞよろしくお願いします！ (2014年3月11日 19時) (レス) id: 923d655729 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作成日時：2014年3月3日 22時
