忘れられない２ (ページ49)

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お昼ごはんの時、ニノがポツリという。

「誰にも何事にも流されない強い信念と、ほんとは優しいツンデレなわたしのこと好きなくせに昨日ぶっちするなんていい度胸」

「……すみません……」
「待ってたんだけどなぁ、ドッキリの看板用意してさぁ」
櫻井さんもチクチク。

「ほんと、すみません……店長にも言われましたけど、雅紀くんくるまで清水くん断るの大変だったんですから……」
「で？そのまま相葉さんと消える、と。想像しちゃうよね、あんなことやこんなこと」
ニノがじーって見てくる。
「……」
「やった？」
大野さんが厨房から出てきて真顔で聞いてくる。

「何を！」
「いわせんの？こんなお天道様が天辺にあるこの時間に？」
目を見開いて超真顔。もうやだ。

「お天道様に聞かせられないようなこと言わないで！」
「２年焦らして焦らして、やっっっっとやれるのってどんな感じだろ。想像したら……わああ」
「ニノ、もうやめて……」

みんながニヤニヤ。
「ニヤニヤしないで……第一異動の訂正まだできてない……」
「やっぱりそんな話する暇ない位猛烈にいちゃついてたってことになる」
櫻井さんが大声で叫ぶ。

もうやだ。来なきゃよかった。
「あ！間に合った？」
ドアが勢いよく開いて雅紀くんが登場。こんなタイミングで。もうやだ。

「来たよ！腑抜け野郎め！」
ニノが暴言を吐く。
「ん？どうした？」

私の頭をぽんって撫でて隣に座る。
恥ずかしくて顔上げらんない。
ニノと櫻井さんのニヤニヤが加速する。

「あれ？お洒落に戻ってる」
大野さんが言う。

「へ？ああ、だって俺がお洒落するのはAちゃんのためだって宣言するためだもん」
「…………」
「Aちゃん異動していなくなったらお洒落しないもん……かっこよくても仕方ないじゃん、Aちゃんが見てくれないんだったら」

「……えっとね、悪いけど、この豆腐の角に頭ぶつけて死んでもらっていい？」
櫻井さんが豆腐を指差して言う。
「無理だよー！豆腐だよ？ねAちゃん？」
ああ、もうやだ。

３人が苦笑しながら顔を見合わせる。
「この看板でおもいっきり殴っったら色ボケ治るかな」
「むりでしょ、２年ごしでしょ？頭の中お花畑だよ」
「そのままあの世に続くお花畑に行きそうだな」
３人がひそひそ。もうやだ。

「今日は着替えもって泊まりに来てね！」
雅紀くんがニッコリ笑って私に言う。

色んな意味で失神寸前。

だれか助けてって、心の中で、叫んだ。