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なにこれ。
なにこれ。
ボロボロ度はニノの比じゃない！
顔を強ばらせてショップに戻ってタイムカードにＩＤカードをとおす。
店内用の透明のバッグを、バックルームに直して、深呼吸。
今のなんだった？
「A」
「はい……」
「簡単にミーティングする」
店長が色々今日の流れとか天候と集客のこととか、今日の朝礼のこととか言う。
「櫻井マネージャーが、服装とか身だしなみのことをまた熱く語ってたからお前早く何とかしろよ、あいつ」
「……いつからですか？」
「３日くらい前？最初はボサボサ頭にジーパンとかでただのダサいやつだったのに？今日は、また一段と気合い入ってんな。じゃ、以上」
「はい」
「オッケーでーす！」
「オッケーですじゃなくて、ハイと言え」
店長と清水くんがやいやいやってる。
どうしよう。なにこれ。
雅紀くんと時々目が合うんだけどニコニコ笑って手を振ってきたりする。
なにこれ。
パートの泉さんが近づいてきて言う。
「商品管理に伝票持っていきます……あの」
「はい」
「相葉さんにどうしたんですかって聞いたひと全員に『Aちゃんのせいなの！』って答えてるんですけど何があったんですか？」
小声で聞いてくる。小声で聞いてくれたのに大きな声が出る。
「……ええ？」
「噂ではAさんの彼氏はみんなあんなんになるんじゃないの？みたいな話になってますよ？二宮さんしかり」
「ニノ？ニノと私が付き合ってる？」
「付き合ってたけど別れて次は相葉さんじゃないのって。最近二宮さん、小綺麗にしてますよね？寝癖も変なメガネもヨレヨレも止めて」
「あれは……流石にお客さんに気持ち悪がられて改心したというか」
「相葉さん、ボロボロでも似合いますね、スタイルかいいからなのかなー」
そう言いながら、伝票をもって歩き出す。
「わたし！彼氏いますから！」
「……え？」
「彼氏！出来たんです！旅行先で！」
「へぇー、じゃあなんで相葉さんはAさんのせいって？」
「知らない！」
ああ、まんまとニノの言った通りに！
櫻井さんもなんか言ってた！
「じゃあさげまんではない……」
泉さんなんてこと！
失神寸前。早く何とかしなきゃ。
雅紀くんを見て服を変えて！口パクで伝える。
すっごいニコニコしながらうんうん、って頷いてる。
「センパーイ！これ行ってくるぞ♪」
清水くんがほっぺの辺りで手でＷＣのマークを作ってウインク。
早くトイレは５番って教えなきゃ……。
ため息。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年2月21日 12時
