忘れられない２ (ページ41)

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翌日お土産を持って出勤したら、警備室の前あたりでバッタリニノにあう。
「ニコチン補充ですか」
「そう。……あんま日焼けしてないじゃん」
「あんまり海に行ってないもん」
「ああ、ベッドの海？シーツの波？」
「……何のこと？」
「どう？イケメンとランデブーとかした？ナンパされた？」
くすくす笑って聞かれる。

「されるわけないよね。家族と行ったのに」
「でもわかんないでしょ」
「グアムなんかで調子乗ってナンパしてくるような男の人について行かないよー」
「イケメンだったらわかんないでしょ、相葉さんみたいな」
そこまで言ってぷくくって笑ってる。

「ね、なんか変。」
「じゃあ相葉さんみたらもっとへんって思うかもね、あ。そうだ」
「ん？」
「イケメンとランデブーしたってことにしといたら！」
「……どうして？」
「もう彼氏できたよってことにしといたほうが身のためだよ！」
「やだってば」
「いうこときかないと絶対後悔するかんな！」
うーん。首をかしげながら事務所の前をとおりかかる。

「あああ！Aみっけ！Aだ！あいたかったー！」
櫻井さんが抱きつきそうになって思わず逃げる。

「やだ！むこういって！」
「……なーんだ全然テンション日本のままじゃん」
「……当たり前です……」
「俺のことすきなんだろ、明るくて仕事ができるのに気さくで、ポジティブなところに憧れてんだろ、知ってるぞ」
バレンタインの私の手紙を懐から取り出して読み上げてる。

「……手紙持ち歩かないでよお……」
「このためだけに持ってきたに決まってんだろ。普段は部屋にかざってる！」
それだけ言ってぷくくって笑ってる。ウソツキ。

「……失礼します」
「待って、会いたかったのはほんとだぞ。防災責任者の件なんだけど、辞令がでたらすぐに交換しないといけないから」
「まだ内示の段階で声大きいよ！」
「あと契約書の件もあるから」
「わかってます」
「取り合えず、また後ほど。あ、グアムで新しい恋した？」
「だからしてないって！」
「したってことにしといたほうがいいんじゃない？進言したよ？じゃあ相葉さんによろしく。っていうか相葉さんをなんとかしてね！グッドラック！」

なんで？どうして？なんか怖いよ。
店内に入ると、一瞬、店内に変な視線が突き刺さる。
何事？

他のショップのパートさんがあからさまに私を見て微妙な顔。
なにこの好奇の目。ハッキリ言って恐ろしい。

おそるおそる、ショップに入る。