忘れられない２ (ページ31)

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66[side MASAKI] ページ31

うそ。うそでしょ。
翔ちゃんのことがすきだって知ってから、堂々とかわいいなーすきーって言ってたのに。
俺のこと好きなんだったら、話は別だって。

付き合うなんて想像もしてなかった。
え？潤くんは？
二番目は潤くんでしょ？違うの？

俺？なんで？
疑問が頭をぐるぐる。

「うそでしょ？なんで俺？」
「去年くらいから、優しいな、素敵だなって思って……」
「ああ、ありがとう……」

……でも、俺。
って言いかけて、焦る。え？俺断ろうとしてる。なんで？

どうせ、もうAちゃんは大野さんのものだし、
もし違っても、俺のものにはきっとならないし。だって、嫌われてる。

彼女、作ってみようかな。
そしたら、彼女と彼氏いる者同士、安心してお友だちになれたりする？
それに、Aちゃん、ずっとゆーちゃんとのこと応援してくれてたし。

「あのね、なんていえばいいのかよくわかんないんだけど」
「……はい？」
「あのさ、俺ゆーちゃんのこと、可愛いな、一生懸命で優しいしって思ってたけど、実はよく知らないというか」
「ああ、はい」
「そんなに話したことないよね？」
「そうですねー」
「見た目的なね、ほら、気に障ったら申し訳ないんだけどさ、容姿は好みで、今かなり嬉しいなとは思うんだけど」
「……はい」
「付き合うってなるとさー、ちょっとは色々知らなきゃ？って思ったりするわけで」
「真面目なんですね、相葉さん」
「高校生みたいなこといってるな、俺ぇ」
「ふふふ」
「お友だちっていうか、まあ、一回デートしにいって考えてからの方がいいんじゃないかな」
「……そうですね！」

にこにこ笑ってる。よかったー。キモイって思われたらどうしようかと思った。

「今度いつ休み？」
「明日ですけど」
「じゃあ明日どっか行っちゃう？どこ行きたい？」
「映画とかですか？」
「……あ。ね、水族館でも、いい？」

なんで、水族館なんて言ったんだろ、俺。
Aちゃんの記憶を、上から塗りつぶそうと、思ったんだ。
なんて、バカだったんだろう。
あとで死ぬほど後悔することになるって知ってたら、遊園地とか言ったのに。

「水族館……はい、いいですけど」

ここで気付くべきだったの。
大きな間違いに。

「じゃあさ、待ち合わせはね……」

Aちゃんのこと諦めて、一歩ふみだそうと、思ったの。
それだけ。

連絡先交換して、先約があるからまた明日ねってゆーちゃんに言って、
慌てて、Aちゃんに電話した。