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よそよそしい雰囲気になってた、夏の初め。
夜の大野さんのお店。
昼と同じで、あんまり人はいない。たまに、常連さんというか、大野さんのお友だちみたいな人が来る感じ。
しかも、夜はバーテンダーみたいな人がいる。雇われ店長？
大野さんはいない日もある。
仕事のときもあれば、釣りに行ってるときも。
店長にパートの葵さんが妊娠したから辞めるって話をして、今後のことで色々話してたら、私たちがいるって知ったほかの皆がわらわら集まりだした。
ニノは私の顔を見て、小さい声でばーか、って言う。
最近暴言が酷い。
雅紀くんに、スーツをお勧めしたのが私だって知ってから、
あのね、私が何にも気づいて無いって思ったら大間違い！
なんて、怒られた。
何を気付いてるっていうの。
求人のことで二人で大体打ち合わせをして、本社に連絡とってって話が終わった頃、櫻井さんがぼそっと雅紀くんに言う。
「そういや相葉さん、あの女どうなったの」
店の中は、私たち以外誰もいない。
ニノと松本さんが、私の顔を見て、あって顔をする。
あの女？ゆーちゃんのことかな？
大野さんは厨房で、雇われ店長さんと話してる。
「あ、あれは、言っちゃダメじゃん翔ちゃん」
「いーだろ、俺らしかいないんだから。で？どうなった？」
「どうもなってないよ」
「お持ち帰り成功した？」
お持ち帰り？
えっとえっと。え？
「もーダメだって。ね？」
雅紀くんが私の顔をチラッとみる。
「A、相葉さんね合コンで知り合った子とね、いい関係になっちゃってー」
櫻井さんの無邪気な声。
「あ、翔ちゃん、ごめん、その目の前のサラダとって！」
ニノが、慌てて言う。
「A、帰ろっか。大野さん！」
慌てる、二人。
不思議そうな顔をしてる、櫻井さん。
ゆーちゃんとじゃなくて？え？
どうゆうこと？
「誘われたんだよねー？ついつい火遊び？男の純情もさあ、目の前で女が……」
「翔さん、Aこういう話苦手だからやめて？」
松本さんが、私の腕を掴んで立ち上がる。
「帰ろう」
「え？」
「別にいいでしょ？欲求不満ぐらいたまるってば！」
櫻井さんがあははって笑う。
ここにも鈍感な人いたってニノが小さく呟く。
ああ、本当に、ばれてるんだ。かっこ悪い、私。
「気にしないでいいよ、私だって一夜の過ちの一回や二回」
口から、でまかせ。
そんなのあるわけない。
「あるの？」
松本さんが、目を剥いた。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年2月21日 12時
