忘れられない２ (ページ27)

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62[side MASAKI] ページ27

避けられてるんだって気付いたのは、しばらく経ってからだった。
朝、普通の顔で挨拶したのに、休憩は、わざとはずす。
元々潤くんがいる時は、潤くんとニノと翔ちゃんといくことが多いから、
潤くんが休みで、俺が出勤の時しか休憩一緒にならない。

合わせることすら難しいのに避けられたら、もう全く。
目の前にいるのに話しかけることもできない。

一番忙しいのは接客と商品の管理だとしても、売り上げの目標も予算もあるから
ぼーっとしたり喋ったりする暇は全く無い。

顧客管理もレイアウトの変更もセールの準備も、
あと下半期の会議の資料も人件費のことも、あとはなんだ？
資材発注も什器のことも明日ワックス入りますとかチラシの商材貸してくれとか
やることいっぱい。

夏のセールの準備でバタバタしたと思ったら、
今度はオータムコレクションのダイレクトメールを送る。
ブライダルフェア、一部だけ。
あと秋のリクルート、これも一部だけ。
百貨店の方でリフレッシュオープンとかいって、少しだけ改装したり。

Aちゃんとまともに話せないまま、大嫌いって言われて３ヶ月がたって、
あせりばっか、募る。
元気の無いAちゃんを見て、胸がぎゅーってなったり、
目が合っても、すっと逸らされたり、かなり痩せちゃってることも
気になってるけど、挨拶が精一杯。

Aちゃんは大野さんとばっかり、関係が深くなってるみたいだ。
犬のねこちゃんと、Aちゃんの仲を見ていれば、一目瞭然？
明らかに、あからさまに、ラブラブ。

ニノと休憩が一緒になったとき、とうとう、ぽろりって愚痴がでた。

「俺避けられてるよね？」
「……は？」
「……」
大野さんとニノが食後のコーヒーを飲みながら俺をみる。

「Aちゃんって俺の休みのときはどうなの？お昼ここに来てんの？」
「翔ちゃんと一緒によく来てるよ、昨日もだし」
大野さんが言う。
「そうね、わたしも週に１回は絶対会うかな」
いちいち誘いにいく翔ちゃんはともかくニノまで。

「じゃあ、３ヶ月も一緒にならないって絶対避けられてるよね」
「今頃気付いたんだね」
大野さんが、へええってびっくりしてる。
「でもいいでしょ、彼女できそうってきいたけど？じゃあAちゃんいらないでしょ」

「いらないってなによ！いらないわけないでしょ……」

「でもゆーちゃんいるならAと仲良くできないよ！女は女友達にも嫉妬するし」
ニノが面倒くさそうに言う。