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バレンタインの、お昼に、大野さんのお店で、大野さんと、先に来ていたニノにチョコを渡す。
「わざわざ義理堅くすみませんね？」
ニノの、ツンツンした言い方。
「あのね、私実は異動が決まって」
大野さんとニノがふっと目を上げる。
「異動先は、ちょっとまだわかんないんですけど、栄転なんですー」
「え？誰が？」
櫻井さんが扉を開けるなり聞いてくる。
「私、異動が決まりました」
「え、それは嫌だ！折角の花が！お昼ごはんに女の子がいないなんて！」
「相葉さん、知ってるの？」
ニノが聞く。
「私からお伝えするから、言わないで下さいね？」
「いつから？」
「４月からなんですけど、ちょっと色々あって、暫く休んだり、研修とか、あと辞令がおりたら直ぐに行かないといけないので、またハッキリ決まったら言いますね？」
「ねこが、さびしがる……」
「休みの日は会いに来ていいですか？」
「いいに決まってる」
「やだな……」
櫻井さんが呟く。
「ま、月に一回位は会いに来なさいよ」
ニノが、拗ねたみたいに、言う。
「うん」
「……A、取り合えず、飯食う？」
大野さんが優しい声で言って、頷く。
「寂しい……」
涙が、込み上げる。
誰かがうん、って頷く。
「でも、雅紀くんが、ゆーちゃんって子と付き合う姿見る方が辛い」
「……」
「……」
「えっ！うっそ？」
櫻井さんがいいいい？って聞く。
「まさか、まさかまさか！Aって相葉さんを！あの俺のことを好きって家まで来た半分ストーカーだった女を好きってことじゃないよな？え？」
「ストーカー」
「相葉さんかぁ……そりゃ俺に興味ないはずだよなー……納得ー。真逆だろ性格。共通点明るいとこ？」
「……ふふ」
櫻井さんが頬杖ついて唇を尖らせて続ける。
「……相葉さんにさぁ、なんであんな女が好きなんだ？って言い方しちゃったことあるんだよな、俺」
櫻井さんが、宙を見上げてため息を吐く。
「そしたらさ、『優しいし、一生懸命で可愛いでしょ？いじらしいなーっておもって』だってさー。いじらしいって、まさしくAのことでしょ」
「……そんなことないです……」
「どれだけ鈍感なんだ」
「あなたこそ鈍感ですよ！」
ニノがぷくくって笑って言う。
「ああ、それで？相葉さんがお持ち帰りした話隠してたのか！ごめん、A」
「あれで、諦める覚悟できたからいいんです」
「んー……そっかぁ。そっかぁ……」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年2月21日 12時
