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店長には、誰にも言わないでくださいって伝えた。
結構すんなり、受け入れてくれる。
次の日、色々聞かれたらしいけど、愛の告白だけで押し切ってる。
ある意味すごい。
雅紀くんが、元気が無いのをみて、ちょっと、悲しく思ったりする。
告白しちゃえば、幸せになれるのに。
シミュレーション？だっけ。
さんざんデートの誘う練習につき合わされたのってなんだったんだろう。
全然、役にたってない。
好きな人相手には途端にヘタレになっちゃうのかな。もう。
イライラしながら、クリスマスが来て、勿論クリスマスなんて無いも同然。
プレセールのあと、大野さんのお店に、みんなで行く。
お疲れ様って、シャンパンで乾杯して、ケーキを食べた。
何故か、サンタガールのコスプレが用意してあって、
今日のお代はいらない代わりサンタガールやれって酔っ払いの皆に、いわれる。
仕方なく着て踊れとかセクハラまがいの扱いに遭いながらも、
皆と楽しく過ごせて、嬉しくて。
雅紀くんが、横に座って、呟く。
「やばい。Aちゃんかわいい！」
嬉しいって思っていいのかな。いちいち考える。
この台詞、もし、大野さんが言ったら？
うん。嬉しい。なら、大丈夫だ。
「ありがとう！」
「クリスマスなのに、こんなとこにいてもいいの？」
心配そうに、聞く雅紀くん。
「うん。大好きな大野さんと一緒だし」
最近、大野さんが精神安定剤みたいに、ロイヤルミルクティをいいタイミングでいれてくれる。
その度に癒されて、大野さんがいないと、っていうか大野さんのいれてくれるミルクティと、犬の『ねこ』がいないといちいち揺れる心がもたない。
年末商戦が来て、年末年始なんてやっぱりないも同然。
１月１日だけ休みだったけど、福袋の戦場と化すワゴンの準備とか、セールの準備、セール用の商品を入れて赤札はったり、とにかく目が回るほどのいそがしさ。
櫻井さんなんて、12月21日から31日、１月２日から９日まで休みなし！って逆に元気そう。
とにかくバタバタしていたセールが終わって、棚が春物に総替えして、落ち着いた頃。
２月末からちょっと旅行に行こうかなって有給を使おうと企んでるとき。
本社から、連絡があった。
「花邑さん異動の件です」
「はい……」
本社人事部からの連絡に、ふう、とため息がでた。
「がんばります……」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年2月21日 12時
