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カズが、緩めていたネクタイを解いて、くるくる巻いてカバンにポンと入れる。
「同情するなら早く帰ってね」
「さっき」
「ん？」
カズがぱっと目を上げて私をじっと見る。
綺麗な目。思わず、目を反らす。
「翔さんに、胸を貸せって言って抱きついたでしょ」
「うん」
「そうやって。今までずっとそばにいた？」
「……うん」
「絶対惚れちゃうよね？」
「……まあ、そうだろうね、普通は」
「でも、大阪に彼氏がいるって言った」
「うん」
「翔さんより、魅力的なの？」
不思議そうに、聴く。
「……理性で好きになるのを留められるってことは、
本気じゃないってことじゃないの？」
「……うん」
「その人を想うとね、好きって気持ちが止まらないの」
バカみたいだ。
目の前にいる人を他の人みたいに言ってるよ、私。バカ。
「……」
「自分が自分でなくなる感じ？嬉しくなったり、悲しくなったり、
前向きになったり、落ち込んだり、
投げやりになったり、最終的には、強くなりたいって思う」
カズが不服そうに、言う。
「強くならなくていいよ」
「強くなりたいよ、彼が好きだって大声で言える自分になりたい」
「弱くていいよ」
「いやいやー、カズあのね、」
「強くなんて、ならなくていいよ」
「……どうして？」
「俺が守ってあげるって、言いたいんだよ、男は」
「……」
「俺が守ってあげたいの！他のヤツじゃなくて、俺が！」
私だって、カズに守ってあげるって言われたいよ。
でも、あんたが言うべき人は、私じゃない。
遠距離恋愛してる、あの子でしょ。
「じゃあ、あのかわいい彼女に言ってあげたら？」
「あのさ、さっき、別れようって電話で言ったんだよね？」
「はあ？」
驚いて、思わずコーヒーカップを取り落としそうになる。
「結婚の約束してたんでしょ？何やってんのバカじゃない？」
「仕方ないでしょ、もう好きじゃなくなったんだから」
「……酷い。冷たい」
「……」
ちょっと、何なの。
そんなこといきなり言われても。
「距離が離れるとね、やっぱ心もちょっとずつ離れていくんだ、
ちょっとずつ、お互いに努力できなくなってくの」
「……」
「Aさんの言ったとおり、男女の仲はいとも簡単に壊れる」
「……」
「Aさんだって、好きなヤツ、会いたいって泣いてたけど、
そのうち、会いたいとも思わなくなって、自分の気持ち見えなくなって、
そして、別れるよ、近いうちに。絶対、好きじゃなくなる」
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井上さん - とってもおもしろかったです!!翔くんと主人公ちゃんのやり取りが毎回爆笑ものでしたww実は、翔くんと付き合えって思ってましたwでも、にのと付き合って、むきになってる翔さんも好きですwwいっぱい書きたいことはありますが、長文になるのでこのへんで。 (2014年10月6日 11時) (
レス) id: aad0cf924c (このIDを非表示/違反報告)
りーふ(プロフ) - テンポの良さにのめり込んで、一気に読み終えました。単純に、恋心に気づいた櫻井先輩との三角関係になるのかと思いきや！！ストーリーの深さに脱帽です。続編も期待して行ってきます！ (2014年8月25日 23時) (レス) id: 36487cebe5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずのん - ありがとうございます。私翔担なんですけど、翔さんとのわちゃわちゃ好きです。主人公のキャラも私と似てるんですよ。続編希望です。 (2014年2月16日 12時) (レス) id: 0b6a693f32 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 戻ってきました((´艸｀*))よしのさん凄い！主人公ちゃんの気持ちを読みながら、ニノはこんな心境だったんだ、とか実は翔さんはさり気無くニノの居ないトコでは気持ち伝えてたり！最初は気付かなかった背景にも気付いたりして楽しかったです！コレはエンドレスですね♪ (2014年2月16日 2時) (レス) id: 40b77fb3bf (このIDを非表示/違反報告)
よしの(プロフ) - ゆずのんさん» あ、説明不足すみません。翔さんは野球よりサッカー派。10番はサッカーの神様ペレがつけてた背番号で代々司令塔といわれるエースナンバーなんですよ。野球なら背番号１、エースで４番？ポジションの話になったから10番。1番じゃなくて10番がいいってそういう意味です。 (2014年2月15日 19時) (レス) id: 923d655729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年2月4日 20時
