７.１年 ページ7
「相葉さん？こいつはかわいこちゃんじゃなくて、Aさん」
「名字は？」
「もう、それ、聞くな……」
櫻井さんが頭を押さえてソファに倒れてる。
「どして？」
「ほら、顔見てみ？怖えだろ」
松本さんが私の方を親指で指し示す。
「怖い顔。可愛いのに台無しだよ？ね？」
相葉さんがにっこり笑う。
あれ。なんだろ。
この人はいい人っぽい。
「で、このこは誰？」
「多分家政婦さんやってくれる人」
大野さんが微妙な言い方をしたのに。
「おー！そうなの？宜しくね？」
そう言って、握手をしてきた。
「で、嵐の中で誰が好きって言ったの？」
「……いまのとこ、相葉さんですかね……」
「うっそ、やった！」
相葉さんがにこにこ笑う。
「どうして！」
櫻井さんが中腰になる。
「この人だけ明らかに善人！」
「……」
「第一なんですか、嵐の中で誰が好き？とかなんとか……」
「じゃ、相葉さんから……けどある意味良かったのかも」
松本さんが、深くため息を吐く。
「そうかも」
相葉さんを除く全員がうんうんと頷く。
「ええー？なにー？」
相葉さんがにこにこ笑いながら、私の顔を覗き込む。
「俺からだって。よろしくね？」
「何を……やっぱり、私何かそういう、もてあそばれる的な酷い目に……」
「え？まだ何も話してないの？」
相葉さんがキョロキョロしてる。
「俺がAちゃんに、優先的にお世話してもらうんだよ？ご飯とかー掃除とかー」
「なんだ、普通」
「なに想像したのー！襲っちゃうぞー」
「どうぞお好きなように！」
相葉さんが、え？いいの？とか言ってる。
「やめといたほうがいいよ！もうすぐ死ぬから呪い殺されるよ！」
二宮さんがチャチャを入れる。
「もうすぐ死んじゃうの？……Aちゃん……」
「そうですね、給料日はいつですか？」
松本さんが思い付いたみたいにいう。
「……契約にしない？」
「契約？」
「１年！１年契約！１年たったら、雪山に上手く遭難できるように手配してやるから！」
「……」
「雪山、どこがいい？どこでも、準備してやるよ！俺が責任もって！」
松本さんが必死に言う。
「１年……長いよ……」
「だいじょーぶ。あっというまだよ」
大野さんがふんわり笑ってる。
「うん。１年たったら死んでいいから、とりあえず、今すぐはやめて。色々足取り調べられたら、この家に入ったってばれちゃうでしょ！こまるの！わたしたち！」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
