39.うとうと ページ39
わかりました、風呂入りません。
汚くてベタベタぎとぎとした家政婦でよければ、
私は一向にかまいません！
お風呂なんて入らなくても、死なないし！
いや、死ぬつもりでしたけど！
という私の言葉に３人でひそひそ話し合いと協定が結ばれたらしい。
「もし風呂場で死んだら全裸で死ぬことになるんだぞ」
みたいな言葉が聞こえてきて、
絶対死ねないと思ったりする。
15分程度で速攻シャワーを浴びて、部屋に戻ったら、
何故か３人が私の部屋でくつろいでる。
「風呂あがり……」
大野さんがふわふわ笑ってる。
この人のふわふわは信用してはいけない。
「お風呂、ありがとうございました……」
「早かったじゃねーか！ちゃんと洗った？」
「……」
「Ｊ、なんか卑猥」
「ばっ！何言ってんだ」
「ふふふ」
ああ、もう。
すっごい眠くなってきたのに、この人たちがいるから、眠れない。
立っていられなくて、ベッドを背もたれにして座る。
うとうと。
つい眠りに落ちそうになって、引きもどす。
船を漕ぐ。
ひそやかな笑い声。
ほっぺをつんつん突かれる。
つんつん突くのは多分、大野さん。
ふふふって笑ってるし。
でも目がもう開けられない。
カクン、と誰かの肩を枕にしてしまったみたい。
この匂いは、松本さん？
あったかい。
ふんわり毛布がかけられる気配。
誰かがベッドに寝そべって、私の頭をふわふわ撫でてる。
もう、なんなの。
でも、まあ、いいかあ。
近くに座って、ちょっと触られるだけで、
眠れるなら、いいか。
一人で、一睡もせずに死に場所を探してた昨日に比べれば。
あったかくて、
楽しくて、
守られてんだか、狙われてんだかその辺はグレーだけど。
まあいいか。
なんか、幸せだし。
居場所があるっていうのは、
こんなに安心するってことなんだ。
私は座ったまま、ついつい、眠りに落ちてしまった。
「おい！何やってんだ！俺も入れろ！」
大きな声。
ふと目を開けると。
目の前に、仁王立ちした櫻井さん。
「あ、おはようございます……」
「なんなんだ！不純だ！不純すぎる！青少年に有害だ！」
ん？
改めて、見ると。
私の肩に頭を乗せて天使の寝顔を見せてる松本さんと、
ベッドに寝そべって、私の肩から胸にかけて腕を後ろからぐるんと回してる二宮さん。
なんか痺れると思って下をみたら、私の膝を枕にしてる大野さんー！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
