38.魔王と悪魔と天使と ページ38
「嫌ってなんですかぁ……」
「一人にしたら死んじゃうかもしれないから目が離せない」
二宮さんがニヤニヤして言う。
「とりあえず死にません……」
「信用できない」
大野さんが私をじろじろ見る。
「お前らのは口実だろ、俺は心からAを心配してんだからな！」
松本さんが私の方を見て言う。
なんかちょっと半笑いなのは何故。
「じゃあ見張るのは勝手ですけどせめてお風呂に入らせてもらえませんか？」
「風呂も見張らなきゃ、あーいそがし！」
二宮さんが何故か腕捲り。
大野さんは一瞬私の全身を見て、ふっと笑う。
笑った？
なんで笑ったの今！
「だから見張りなら俺に任せろ！」
松本さんが真面目な顔で言う。
「じゃあ見張りはＪに任せるから、添い寝はわたしね！」
「じゃあニノ、一緒に……」
二宮さんと大野さんが好き勝手なこと言ってる。
「なんなんですか、私死ぬためにこの家にきて身の貞操を守らないといけないとかなんなんですか！」
「いいでしょ、どうせ死ぬんだから」
二宮さんがニヤニヤ笑ってる
この人悪魔だ。
「死ぬから、何してもいいと……？」
「そのつもりで来たんでしょ？何されてもいいやって思ってこの家に来たんでしょ？」
ああ、大野さんなんて悪魔の王様、魔王だ、きっと。
だってこんな台詞、ふんわり笑っていうなんて！
「お前らいい加減にしろよ」
「松本さん、たすけて」
庇ってくれた松本さんの背中に思わず隠れる。
「俺に惚れた？惚れただろ？惚れたって言え！」
「……」
わくわくわくわく。キラキラキラキラ。
大きな目が私を見てる。
「……いや……」
「お？なかなか強情じゃねーか！くー！超ヒリヒリするー！」
「相葉さん櫻井さん早く帰ってきて……」
「助け呼んでも帰ってこないぞ」
魔王、もとい大野さんがそんなこと言ってる。
「そうそ、この家で大声だしても周りから聞こえないし」
二宮さんの頭にツノが！尻尾が見える！
「ふざけんな！こいつは俺のもんになるの！こいつの命賭けて勝負してんだから邪魔すんな」
ああ、松本さんは無邪気な天使。
私の運命で遊んでる。
悪気が無い分、逆に悪魔とか魔王より性質が悪い。
ふざけてるのか大真面目なのかさっぱりわからない櫻井さんか
単純で普通にいい人の相葉さんがいないと困る！
どうしてあの二人が留守なのよ！
にらみ合ったまま、夜がふける。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
