31.職業選択 ページ31
食器を洗ってても、どうにも気になる声が聞こえてくる。
「あ、やっぱ左ハンドルなんだ」
「はーい、3000円渡しまーす」
「円じゃなくてドルでしょ」
「俺自動車保険入っとく」
「1000円いただきまーす」
「だから1000ドルだって」
「コースは？俺専門職」
「ここは専門職でしょうが！」
「じゃあみんな専門職ね」
なんだか楽しそう。
「Aも入る？」
松本さんが聞いてくれる。
「あとで、横で見せてもらいます」
「ただでさえ人生ゲームみたいな人生なのにね」
大野さんがうふふと笑ってる。
ほら、やっぱり、この人もしかして。
「リカちゃんと映画って！リカちゃんってだれだー！ひだカノいっちゃう？」
相葉さんがあはは！って笑って、お金を払ってる。
「じゃ、次わたしね。……はいでた！１！英会話？」
「2000円いただきー！」
相葉さんがまいどありーとか言いながらお金を貰ってる。
次に松本さん。ルーレットを回して真剣にボードを読んでる。
「……えっと？先生になれる？……やめとくわ。給料すくねーし」
「え？次決まらなきゃフリーターだぞ？」
櫻井さんが心配してる。
なんでゲームなのに将来を心配してるの！
「じゃあ、つぎおいらで……こづかい、1000円もらう。頂戴」
「はーい。お小遣いですよー」
相葉さんがいちいちメッセージ付きでお金のやりとりしてて、おかしい。
「じゃー次おれー！」
櫻井さんが嬉々としてルーレットを回す。
「……おい！またリカちゃんでたぞ！映画！ひだカノか？」
「リカ二股かよー！なんだよー！1000円払いなさいよ！」
「雅紀、わるかったな！恨むなら浮気者のリカを恨め」
「んもー。次俺ね、……えっと、医者になれるっと。なる！」
「え！その医者行くの怖いわ！」
二宮さんがのけぞって言う。
「何いってんのー！！高度先端医療センターだぞ？来てもニノは診てやんねーからな」
「他んとこ行くわ！」
「次ニノ」
松本さんが急かす。
「はいはい……えっと、プログラマーになれる。なっとこう」
「ニノっぽい。たぶん、ゲームのプログラマだな」
大野さんが言ってる。
「じゃあ次俺ね……タレントになれる。……これ止めたら多分フリーターになりそうだしなっとこ」
「タレントいやなの？」
相葉さんが松本さんに聞く。
「だって固定給じゃねーし」
「……ああ、なるほどさすが勝ちにこだわる男」
櫻井さんが感心したりしてる。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
