４.シェアハウス ページ4
「とりあえず入ってよ」
松本さんが、すっごい笑いながら招き入れる。
「お邪魔します。ところで、ここのご主人はどなたになるんですか？」
「ああ、俺ら全員が主人ってことになるのかな？だよな、ニノ」
「そう。五人」
二宮さんが私の全身をジロジロ見て言う。
「五人？」
「翔ちゃんと、相葉ちゃん」
大野さんがそう言って、ふんわり笑う。
「嵐さん５人でお住まい……」
「うん、そう」
ああ、シェアハウスしてるんだ。
しらなかった。
へえ。
嵐さんが契約者ってことは、殺されるってことはなさそう。がっかり。
「驚かないの？」
「驚いた方が良かったですか、大野さん」
「いや、全然ふつーだし……」
「家に帰って寝室に彼と知らない女が寝てたときの方が衝撃ですよ」
二宮さんが、ぶふっ！と吹き出す。
「笑うと失礼だろー」
とか言ってる松本さんも必死で笑いを堪えてる。
「笑うだけ笑えばいいでしょ、お給料もらったら雪山に登山して遭難する予定なんで痛くも痒くもない！」
「凍死？」
大野さんがふっと眉を寄せて聞く。
「凍死がいちばん綺麗らしいですからね！」
「あのね言っとくけど死ぬんなら、わたしたちの迷惑にならないようにしてよね、はい、ここリビング。」
結構歩かされて大きなリビングに通される。
「ＴＶでかっ！」
思わず仰け反る。
ソファをすすめられて、座る。
「死ぬの考え直せよ」
松本さんが言う。
「どうして？」
「生きてればその内いいこともある、かもしんねーじゃん。たぶん。きっと。恐らく」
そのまま二宮さんがニヤニヤして続ける。
「なんで死にたいの？絶望したから？彼へのあてつけ？それともかまってほしいだけ？」
「もう、なにもしたくないからです！」
「家政婦出来んの？」
「……てっきり内臓だけ売られて体は捨てられるんだろうなと思ってたから、マジで家政婦募集してたの？あれで？」
思わず真面目に聞き返す。
「急募って書いてたでしょ」
松本さんが腕をくんでわたしを見てる。
「あんな書き方じゃ、警察に通報されますよ？それにあれじゃまともなの来るわけないでしょ！」
「きたよ」
大野さんが、ふわふわ笑う。
「どこに！」
「Aちゃんが」
あれれ？なんだ、この人。
ささくれだった心がちょっと癒された。
「効果、あったんですねー」
「そだね」
「あんな変な条件だしたのは、なんか理由があるんですか？」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
