11.約束 ページ11
「理由は？冷凍保存されてて、肌が真っ白で綺麗な死に方だから？」
「……うん」
「じゃあ、雪が溶けない山にしないと！あと熊とか住めないくらい寒くないと！」
「……」
「冷凍された状態がいいんでしょ！なら雪が溶ける山だめだね！日本にはない！それと登山の途中で熊にあったらどうすんの！」
「……」
「ほら、A、考えてみて。エベレストとか、マッキンリーとかどう？」
「どうやったら行けるの？」
櫻井さんが良く見たらすっごくカッコいい笑顔で微笑む。どうでもいいけど。
いいぞ、翔さん、とか外野がうるさい。
「色々準備しないとね。登山の経験は？」
「ない」
「じゃあ、今は無理だね。とりあえず、この家で、死んだように暮らすのが一番いいんじゃないの？我々の目の保養も兼ねながら」
冷静になると、死ぬのって、すっごい面倒なのかもしれない。
いつでも死ねるんなら、アイドルのお世話してからでもいいかも。
よく考えたら、こんなイケメンに囲まれることなんてもう死ぬまで無い。
もうすぐ死ぬけど。
「……色々面倒ですね。飛び降りるにしても、可愛い下着を買ってからにしたいし」
「今かわいくない下着なの？」
大野さんがふっと聞く。
「見ます？」
「えっ」
「やめた方がいいよ！もうすぐ死ぬ人のパンツみても面白くもなんともない！」
「果たしてそうだろうか」
二宮さんと櫻井さんが顔をじっと見合わせてる。
「……なんか色々面倒になってきたので、私はこれで」
「一年行方をくらませて、一年後にまだ死にたかったら俺のコネでマッキンリーつれてってやる」
松本さんがはっきりした声で言う。
そんなコネあんの？と相葉さんが呟いて、二宮さんがしっ、とか言ってる。
「一年しっかり働いてくれたボーナスで好きな死に方させてやるよ！」
「……」
「拳銃くらいなら用意してやってもいい」
大野さんが、え、そんなことできんの、って呟いて、櫻井さんが、アイツが一番あの台詞似合うだろとか呟いてる。
私は地獄耳だということは、早めにお伝えすべきなのかもしれない。
けど、松本さんなら中国マフィアの知り合いとか居てもおかしくなさそうな。
「ほんと？」
「約束する。ただし、それまで、俺に惚れなかったらな！」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月10日 21時
