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「先生に言って緊急連絡先に連絡してもらう？」
「多分緊急連絡先の一つはみなちゃんのママの職場で、もう一つはお父さんの会社だと思うんだけど……」
「……」
「お父さんの会社ってハードル高すぎない？」
山本がわかりやすく落ち込んだ。
「お前今日何時まで大丈夫？」
「え」
「時間。門限とかあるの？」
「うちは連絡さえしてれば10時までに家に帰ればいいみたいな緩い感じ、塾とか習い事とかでいつもそれくらい」
「じゃあ家の人に連絡して今日9時くらいまでオッケーか聞いてみて」
「なんで？」
「流石に9時くらいになれば錫来家の誰か帰ってるだろ」
山本が頷いた。
「そうだね、一旦家に帰ってお母さんに言ってみる……あ！お母さんにも協力してもらえばいいのか！」
いきなり目をキラキラさせて、そう言った。
「一旦帰る！お母さんに協力してもらう！」
「なんて言うんだよ」
「お母さんなら、わかってもらえるから。みなちゃんみたいな霊見たって言って、みなちゃんもみなちゃんのママも連絡取れないって言ったらきっとわかってもらえる」
「お母さんも巫女の血を引いてるんだっけ？」
「うん。お母さんもお姉ちゃんも10歳くらいまで見えたんだよ！でも弟は何にも感じないの、不思議だよね」
山本がちょっと元気になってクレープをもぐもぐし始めた。
「お母さんと錫来んち、行く？」
「夜かぁ、夜はお母さん付き合ってくれるかなぁ、弟の塾のお迎えとかもあるし」
「お母さん無理なら俺付き合うよ」
「いいの？」
「いいよ、お母さんが無理なら俺の携帯にかけてくれる？家まで迎えに行くから」
カバンの中に入ってた学校のプリントの裏に携帯番号を書いて渡す。
「……うん、ありがと」
「今からどうする？一旦帰る？」
「今何時？」
「3時」
「待ち合わせ時間何時にする？」
「8時くらい？」
「時間あるなら帰って着替えたりするほうがいいよね、でも夜から待ち合わせってなんかちょっと大人になった気分」
「何言ってんだコイツ」
ちょっとデレデレしてた山本が、また突然がくーっと落ち込んだ。
「これで……夜、みなちゃんがピンピンした姿で出てきて、何で二人でいるの！って冷やかされて、心配して損した！とかならいいのに」
そうならないことを知ってしまってるぶん、山本のその願いがとても切なくて苦しくなってくる。
「あの霊、みなちゃんじゃありませんように……」
うん。俺も。
自分の見たものが幻でありますようにと願うよ。
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かき - このシリーズ大好きで何度も読み返してます！更新応援しています！ (10月28日 21時) (
レス) id: 1a835ab69b (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 一気読みしてしまいました！よしのさんの小説は本当に読みやすくて感情移入しやすいです！更新楽しみにしています！ (2023年3月4日 18時) (レス) @page37 id: 35d5ff39db (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 遅くなりましたが読みにきました♪あ〜面白い〜よしのさんの描写が分かりやすくて頭の中で勝手にドラマ化されています＼_(･ω･`)ｺﾚ大事！続きをのんびり待ってます٩( 'ω' )و (2023年2月26日 13時) (レス) @page37 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 翔さん＆よしのさんおめでとうございます！この佳き日に二作同時に読めるなんてこちらこそプレゼントありがとうございます！翔さんとヒロインちゃんがどんなこと話してたのか知りたい！雅紀君にはどんな色が見えたのかな？桃色桜色？パチパチ弾けたソーダ水な？キュン (2023年1月25日 15時) (レス) @page37 id: 8b85446469 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 櫻井さんとヒロインの色恋もみたいかもーなんちゃって笑笑よろしくお願いします❕ (2023年1月22日 7時) (レス) @page32 id: 616dc38d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月31日 7時
