どこの奥様 ページ1
私がサンドイッチを作って持っていったら男三人でローストビーフを厚切りにしてたから櫻井さんの手からナイフを取り上げる。
ブーブー言われながらも厚く切ったものを食べやすいように小さく切ったりしていたら、圭吾さんと馨子ちゃんがそっと顔を覗かせた。
「お騒がせしました」
馨子ちゃんが恥ずかしそうに頭を下げる。
「あ、泣きやんだ？飯食お、飯」
二宮さんが馨子ちゃんの扱いに慣れてるのか、何事もなかったかのように声をかける。
圭吾さんがまっすぐ私の方を見て、ペコリと頭を下げた。
「先程は失礼な物言い、申し訳ありません」
「いえ、別に失礼なことは言われていませんよ？」
「いや、こんな女、とか、他にも色々……」
「馨子の方が百万倍可愛いとかね」
二宮さんがちゃちゃを入れてきて思わず『黙れ』って顔で見返した。首をすくめてる。
「おーこわ、いいの翔ちゃん？怖いよこのひと」
「なーんか知らない間に仲良くなってる……どういうこと……？」
櫻井さんが二宮さんをじとーっと見てる。
「どこをどう見たら仲良く見えんの」
二宮さんがヘラヘラ笑ってる。
なんかムカつく。
「僕ら、話し合いたいと思います、だいぶお互い誤解してたみたいで……」
「……その方がいいと思います、が、その前に。お二人にお話があるんですけど」
「？はい？」
馨子ちゃんが私の方を不思議そうに見てる。
「その話の前に、ご飯食べません？このレモンとバジルのツナサラダ、馨子ちゃんが作ってくれたんです」
私がそう言うとホッとしたように二人が椅子に座った。
「ごめんね、ありがと、Aさん」
馨子ちゃんがまた泣きそうな目でそういった。
「なんで謝るの？謝ることなんて何もないよ？」
「だって……」
「もう強がって思ってもないこと言っちゃだめだよ、言葉は弓矢と同じ凶器だよ、一度放たれた矢は後悔してももう止まらないんだから」
「はい……」
「ほら、食べてね」
私がそう言うと、お母さんみたいだねぇって大野さんが言って、老けてるってこと？って二宮さんが言ってるのを完全無視することにした。
大野さんがタイにしばらく行ってた話とか、圭吾さんの仕事の話なんかを聞きながら和やかに食事も終盤に差し掛かった。
「卒論頑張らなきゃー」
馨子ちゃんの卒論のテーマを聞いたところで、二宮さんが私をちらっと見て口火を切る。
「卒業したらお嬢も奥様になるのかぁ、どこの奥様になるのかねぇ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2779人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃぼたん(プロフ) - 毎度楽しく読ませてもらってます。相葉さんの友達の社長、ってだけだととても怪しく感じるのに、その友達の名前が風間と言うだけで絶対的な安心感しかないですね(笑)しょーさんとおにぎりちゃんどうなるのかなぁ。次も楽しみにしてますね！ (2021年8月2日 18時) (
レス) id: 3a5d537559 (このIDを非表示/違反報告)
赤栗鼠(プロフ) - 更新ありがとうございます。何でこんなに行き違っちゃうの？胃がキューってなる切なさです>д< おにぎりちゃん出てっちゃうのかなぁ、、。続きが楽しみです。 (2021年8月2日 17時) (レス) id: c9ec236d7a (このIDを非表示/違反報告)
せいこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎回楽しみにしてます。翔さんと2人、絶対相性良いと思うので、どうかお互い素直になってゆっくり言葉交わして欲しいって思います。まだまだ楽しみなので待ってます！ (2021年8月2日 15時) (レス) id: 40a9623dcc (このIDを非表示/違反報告)
たまりん(プロフ) - わーい！翔さんの独占欲出たー！続きが楽しみです！！ (2021年8月2日 9時) (レス) id: 0a1a6bc318 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 朝から幸せ！仕事前に読めましたー！風間社長の登場に更にテンションも上がりました。雅紀君良かったね♪おにぎりちゃん就職先も決まってしまった……カウントダウンが始まってるのかな……嫌だな早く素直になってぇー！翔さん早く伝えてぇー！ (2021年8月2日 9時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月16日 10時
