別の人種 ページ7
「不動産管理できるの？って聞いたら人を雇えばいいって言う人もいた、私はその勉強をするために大学に行ったのに」
「すごい！」
心から感心してそう言ったのに馨子さんはムスッとした顔で私を睨んだ。
「他人事みたいに言ってるけどAさんはできるの？」
「私普通の事務しかできない。あの、それに櫻井さんは弁護士ですよね、不動産管理って……」
「そうよ、それよ！なんで翔くん櫻井家継がないの？どうなってんの？」
「それは圭吾さんに……」
「圭吾くん無理……」
馨子さんがまたしゃがみこんで顔を覆った。
「馨子さん……」
「圭吾くん意地悪しか言わないもん」
「……」
「翔くんは優しいから安心してたのに」
「圭吾さんは意地悪なの……？」
「私これでもモデルやってんだよ？モデルに向かって、頭の悪そうな髪の色、とかチャラチャラした格好してる、とか言う？」
「あー、なるほど……」
あ、シンプルに犬猿の仲なのか。
「性格も口も悪いし翔くんと大違い！取り柄なんて顔だけ！」
イケメンなのか！初めて知った！
「圭吾くんは駄目」
「……」
「翔くんなら甘やかしてくれるから良かったのに……圭吾くんはやだよ……」
しゃがみこんで泣き言を言う馨子さん。
「私……圭吾さんとめちゃくちゃ会いたくなってきた……！」
思わず心の声が出た。馨子さんがばっと顔を上げて目を見開く。
「は？今の話聞いてた？」
「興味深いです。私堅物ってことしか聞いてないの！会いたい」
「ねぇ、Aさん？」
「はい」
「敬語、もういいよ？」
「え？圭吾さん？」
「違う！圭吾くんなんて全然良くない！敬語使わなくていいよってこと！天然なの？」
「えっと……」
「さっき見たとき、翔くんにも敬語だったよね、付き合って間もない感じなのに結婚を前提にお付き合いしてるの？」
「……知り合って2年くらいですけど、付き合ってからは日が浅いですね、確かに」
「じゃあずっと翔くんが片想いしてたんだね、いいなぁ……」
馨子さんがなんだか、可哀想に思えてきた。
「……」
「私とは真逆の子が好みだったんだ……」
「……それは」
「今までの子とも全然違う。価値観がまるで違う、別の種族と喋ってるみたいな気持ち。バカバカしくなってきた」
「……別の種族？」
笑いながら隣にしゃがみ込んだら馨子さんが私をじっと見た。
「よく見たらお肌もきれいだし、髪なんて嘘みたいに綺麗、シャンプーのＣＭみたい」
馨子さんが私の髪に少し触れた。
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コズ(プロフ) - おにぎりちゃんの名前からこんな素敵な展開になるなんて！想像の遥か彼方斜め上過ぎて、よしのさんの才能に改めて脱帽です！翔さん救ってあげて下さい！泣きながら移行先お邪魔してきます！ (2021年7月17日 19時) (
レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
si(プロフ) - くうぅぅぅ〜。鬼！その表現の仕方が大好きです〜って、心の声を残しておきます〜(*´▽｀*) (2021年7月16日 12時) (レス) id: 9ba5f2c83a (このIDを非表示/違反報告)
しょうこ - よしのさんのお話見つけて、一気に読ませて頂きました！よしのさんワールドが本当に大好きで引き込まれます。お互い絶対好きなのに気持ちに蓋してる二人に胸がチクチクします。続き、楽しみにしてます。 (2021年7月15日 12時) (レス) id: 48155091d1 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 素敵すぎるストーリーとキャラ設定にキュンキュンしながら一気に読んでしまいました！心がぎゅっとなる切なく、愛が溢れるお話に出会えて、私は幸せです！ 今後の展開を楽しみにしていますので、頑張ってください！ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 936edc827b (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - 盛り沢山o(*ﾟ∀ﾟ*)oありがとうございます！！最後まで楽しみすぎます！私もニノさんと言い合いしたいなぁ♪ (2021年7月13日 13時) (レス) id: c510f59081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月23日 13時
