ハッピーエンドの条件 ページ39
「初めまして、圭吾さん。Aと申します」
頭を下げたら、はぁ？ってもう一度言った。
「なんで？話が違う！」
「とは言われてもー。好きになっちゃったもんは仕方ないだろー」
櫻井さんが子供みたいに口をとがらせた。
「馨子はそれでいいのかよ、なんでこの家に楽しそうに居るんだよ？お前の大好きな翔お兄ちゃん盗られてんだぞ？」
圭吾さんが今度は馨子ちゃんに向かってそう吠えた。
「だって仕方ないでしょ、翔くん、Aさんのこと大好きだもん。Aさんも翔くんのこと大好きなのに」
「じゃあ馨子、お前どうすんだよ？来年の春結婚するだろ、誰と結婚するんだよ？」
「知らないよ、誰だっていいよ、どうせ好きな人と結婚できないんだもん！」
こんな修羅場なのに二宮さんはニヤニヤしてて、大野さんは全く我関せずといった風にあくびしてる。
「いや、こんな女から奪い返せばいいだけだろ、なんとでもなるだろお前んちなら！」
「だって！翔くん、好きな人と結婚したいでしょ？気持ちわかるもん！家に振り回されるのは私だけでいい！」
「いやだから！翔くんと馨子が結婚したらそれが一番ハッピーエンドでしょうが！」
「どうして？翔くんは櫻井家継ぎたくないし好きでもない私と結婚してなにがハッピーエンド？誰も幸せにならない！」
「……翔くんのため？」
「え？」
「大好きな翔お兄ちゃんは幸せになってねって身を引くつもり？なにそれ？悲劇のヒロインぶってんの？馬鹿じゃない？」
馨子ちゃんが大きな目に涙をにじませた。
「違うも……」
「俺、家継がないよ？」
櫻井さんが空気を読まずにそう言った。
「だーかーら、そういうわけには行かないでしょ！遺言は絶対なんだし……」
「俺が死んだら相続の第二順位はお前だろ？第三順位は国際結婚して資格喪失、第四順位は七緒。もうお前しかいないでしょ」
「いや第一順位が生きてるのに無理だって」
「俺のことは死んだと思って……」
「生きてんのに無理だろ！」
「じゃあ勘当してもらう」
「そこまで？この女にそんな価値あんの？馨子よりいいとこなんて無さそうだけど？」
黙って聞いてるけどなかなかのディスられ方されてる。仕方ないけど。
「そんなことないよ？可愛いでしょA」
「いやいやどこが？馨子の方が百万倍可愛いだろ？」
百万倍。すごい言われよう。
「えー」
「馨子は頑張り屋だし……ちょっと馬鹿だけど……そういうとこもかわ」
圭吾さんが口を突然噤んだ。
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コズ(プロフ) - おにぎりちゃんの名前からこんな素敵な展開になるなんて！想像の遥か彼方斜め上過ぎて、よしのさんの才能に改めて脱帽です！翔さん救ってあげて下さい！泣きながら移行先お邪魔してきます！ (2021年7月17日 19時) (
レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
si(プロフ) - くうぅぅぅ〜。鬼！その表現の仕方が大好きです〜って、心の声を残しておきます〜(*´▽｀*) (2021年7月16日 12時) (レス) id: 9ba5f2c83a (このIDを非表示/違反報告)
しょうこ - よしのさんのお話見つけて、一気に読ませて頂きました！よしのさんワールドが本当に大好きで引き込まれます。お互い絶対好きなのに気持ちに蓋してる二人に胸がチクチクします。続き、楽しみにしてます。 (2021年7月15日 12時) (レス) id: 48155091d1 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 素敵すぎるストーリーとキャラ設定にキュンキュンしながら一気に読んでしまいました！心がぎゅっとなる切なく、愛が溢れるお話に出会えて、私は幸せです！ 今後の展開を楽しみにしていますので、頑張ってください！ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 936edc827b (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - 盛り沢山o(*ﾟ∀ﾟ*)oありがとうございます！！最後まで楽しみすぎます！私もニノさんと言い合いしたいなぁ♪ (2021年7月13日 13時) (レス) id: c510f59081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月23日 13時
