絶対ダメ！ ページ34
「いやでも……そっか……水無瀬さんは俺が婚約者になるまでは圭吾を高く買ってたし……」
櫻井さんが複雑な顔をした。
「つまり。水無瀬家の娘と結婚する人に櫻井家を継がせた方がいいとみんなに思わせればいいと思う」
「どうやって？」
「馨子さんと結婚したら櫻井家のバックアップするけどそうでないなら縁を切るとか言ってもらうとかどうかな？」
「それは無理だろ……」
「無理じゃない、馨子さんに言ってもらえばいい、娘の幸せを願わない親はいないはず」
「そんな簡単な話じゃないと思うけど」
「そんな簡単な話なんですよ櫻井さん」
私の言葉に櫻井さんが困ったように笑った。
「でもそんな無茶苦茶な……」
「挑戦する価値はあります、やりましょう」
櫻井さんにそういったら、櫻井さんが困ったようにこめかみをポリポリした。
「じゃあ、圭吾呼ぶよ、大野さん引き止められるかな……」
「大丈夫、なんとかする」
「なんとかって……」
「大丈夫」
私がそう言うと不思議そうに首を傾げて、そんな言うなら、って顔をした。
「リビング戻ろっか」
「うん、大野さんちらし寿司食べるかな」
「食べるよきっと」
ふたりでリビングに戻ったら、大野さんが、あれ？と言いながら目を覚ました。
「智くん！おはよ！」
櫻井さんが大野さんにそう言った。
「おお、翔くん、来たよぉ」
「久々だねー、3ヶ月ぶりくらい？」
「かな、画材足りなくなって一旦帰ってきた」
「しばらくいるの？」
「いる」
そう言って大野さんが私をじっと見た。
ちょっと微笑んで首を傾げる。サラリと髪が流れ落ちる。
「翔くん」
「ん？」
「A貸してよ」
「え」
櫻井さんが絶句した。
「A貸して？」
「やだよ！」
「あ、そ。じゃあ帰るわ、またね」
「待って待って待って」
櫻井さんが慌てて引き止める。
「Aを何すんの？」
「あの、Aの髪」
「うん、いいでしょ、びっくりするくらいサラサラだよ、指から零れ落ちるくらい」
「あれ描く」
「え、モデル？」
櫻井さんが私を見て目をくりくりさせた。
「そ」
「まさか裸にしたり……なんてことは……」
「していいの？」
「ダメダメダメダメ！絶対ダメ！」
「あはは」
大野さんが笑いだした。
私は息を潜めて二人の会話を聞くしかできない。
「笑うけどさぁ……」
「翔くんそんな好き？すごい顔した」
「……」
「おかし」
櫻井さんがソファに倒れるほど脱力してはぁーとため息を吐いて脱力した。
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コズ(プロフ) - おにぎりちゃんの名前からこんな素敵な展開になるなんて！想像の遥か彼方斜め上過ぎて、よしのさんの才能に改めて脱帽です！翔さん救ってあげて下さい！泣きながら移行先お邪魔してきます！ (2021年7月17日 19時) (
レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
si(プロフ) - くうぅぅぅ〜。鬼！その表現の仕方が大好きです〜って、心の声を残しておきます〜(*´▽｀*) (2021年7月16日 12時) (レス) id: 9ba5f2c83a (このIDを非表示/違反報告)
しょうこ - よしのさんのお話見つけて、一気に読ませて頂きました！よしのさんワールドが本当に大好きで引き込まれます。お互い絶対好きなのに気持ちに蓋してる二人に胸がチクチクします。続き、楽しみにしてます。 (2021年7月15日 12時) (レス) id: 48155091d1 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 素敵すぎるストーリーとキャラ設定にキュンキュンしながら一気に読んでしまいました！心がぎゅっとなる切なく、愛が溢れるお話に出会えて、私は幸せです！ 今後の展開を楽しみにしていますので、頑張ってください！ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 936edc827b (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - 盛り沢山o(*ﾟ∀ﾟ*)oありがとうございます！！最後まで楽しみすぎます！私もニノさんと言い合いしたいなぁ♪ (2021年7月13日 13時) (レス) id: c510f59081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月23日 13時
