生ハムとシャンパン ページ7
松本さんに家まで送ってもらうことになった。
なんだか疲れたかも。
異世界だ。まじで転生したんだわ私。
しばらく車を走らせていたら、松本さんは見慣れない場所で車を停めた。
ん？
「ここ」
「はい」
目の前の大きなビル。
櫻井法律事務所
……ここって。
「もし時間あったら前通ってって言われてさ、電話する」
「……！」
しばらく待ってたら櫻井さんがキョロキョロしながら事務所から出てきた。
「翔さんこっち」
「おー、ありがとう、Aは？」
私の名前が出てきたから、ひょこっと松本さんの横から顔を覗かせる。
「櫻井さん」
「あ、いた。可愛くしてもらっちゃって」
お前誰っ？ってならないの？
これ妹とかが私を見ても姉とはわからないよ？そんくらい変わってるのに薄い反応！
「ごめん、A。悪いけどこれ冷蔵庫に入れといて。回り道させてごめん」
なんだか荷物を渡された。
「これは？」
「生ハムとシャンパン」
「……」
「Aのせいで食いたくなって注文したの、冷やしといて」
「はい……」
さてはおにぎりのツイートのせいか！
私が傷心でしくしくやってるときに、お？生ハムうまそう、食いてーと思ったのか！
「じゃあ、A」
「はい」
「今Aの姿見れたし、俺が帰るまで待ってなくていいよ、お風呂入って着替えてのんびりしておいて」
「はい」
「じゃあ、気をつけて帰ってね」
「櫻井さんもお仕事頑張ってくださいね！帰るの起きて待ってますから」
「ありがと！顔見て元気出たから頑張る、なるべく早く帰るよ、まぐろユッケね！」
櫻井さんがニッコリ笑って、松本さんに、また今度お礼するよ、って言った。
「じゃあ行くよ」
「うん、わざわざありがとう」
櫻井さんがニコニコ笑って手を振った。
私も手を振ったら、櫻井さんがめちゃくちゃ嬉しそうに手をブンブン振った。
見えなくなるまで後ろを振り返って櫻井さんを見て、座り直したら、松本さんが、あはは！と笑いだした。
「えっ！なんですか？」
「ちょっと疑ってたんだよ、翔さんがAに惚れ込んでるって、マジ？って」
「ですよね……」
「でもさ、あれってAの可愛い姿は見たいけど、今日の夜遅くなるのに着替えずにずっと待たせるのは忍びないから苦肉の策でしょ」
「でも生ハム……」
「そんなの口実だよ、事務所にも冷蔵庫くらいあるだろ」
「……」
「それに何あの甘いデレデレ」
……櫻井さん、役者になるべきです。
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さや(プロフ) - よしの様！2章お疲れ様でした。凄く丁寧に描写頂いて楽しいです！個人的には長編嬉しいです。毎回思います。終わらないでほしいと…では、また3章に行ってきますm(__)m (2021年6月23日 20時) (
レス) id: 04f741953d (このIDを非表示/違反報告)
ukyo(プロフ) - モツ鍋の〆と、その先が気になります。お互いの何となくな感情が苦しいですね。続き楽しみです。 (2021年6月21日 4時) (レス) id: fa3b80409d (このIDを非表示/違反報告)
JPN39(プロフ) - まさかのほくろの位置と顎の傷がドンピシャで自分と一緒でいつも以上に妄想に力が入りましたごちそうさまです！！！よしのさんの小説読んでると自分は櫻井担なんじゃないかと思い始める相葉担より(つまりよしのさんの小説大好きです←これが言いたかった) (2021年6月20日 21時) (レス) id: a734455ab7 (このIDを非表示/違反報告)
Kewpiechan(プロフ) - あー苦しい。ちと切ない。感情移入しちゃって大変です。よしのさんの書かれる文章大好きです。 (2021年6月20日 21時) (レス) id: 9442e8a7d3 (このIDを非表示/違反報告)
あきこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！よしのさんの作品、何度読んでも大好きです！！ (2021年6月20日 19時) (レス) id: 4cb7b4484f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月6日 8時
