女の子に興味ない？ ページ4
「グラマーなタイプの子がチュニック着ると太って見えるんだよ。ボンキュッボンの格好のほうが絶対いいよ」
「えー……」
「じゃあこれ、どうかな」
襟ぐりはひろめ。胸元はレースで肌色を残しつつ谷間は見えない。ウエストは絞られていて、スカートはすとんと下に落ちる感じのプリーツ。
「セクシーすぎません？」
「これくらいでちょうどいいよ」
試着室に無理やり連れていかれて、これ着てね！と押し付けられた。
仕方なく着てみた。
……え。顔も髪も体型も違う。お前は誰だ。
そういう怖い遊びあったな。お前は誰だお前は誰だって鏡に言い続けて精神疾患になるやつ。
気を付けよう。
「相葉さん！」
「何！」
相葉さんがびっくりしたようにこっちを見た。
手に一杯服を持ってる。
「似合ってる気がします！」
「似合ってるよ！」
あはは！って笑われた。
「次はこっちね」
こんどはＶネックのピタッとしたカットソーと、スリムなパンツ。
嘘だ。スキニーパンツが似合うなんて誰もいってくれなかったよ！
ば！とドアを開ける。
「相葉さん！」
「おわ？びっくりした！」
「生まれて初めてこんなぴったりしたの履きました」
「似合うね」
「驚きました、しかも別にくるしくない」
「ストレッチ素材だからね、次はこっち」
気づいたら、10着くらい着せられた。
背中があいてるのとか、カーディガンは前をとじるな、とか、トップスはインすればいいよ、とかいろいろ言われた。
「でもこの顔に一番似合うの多分和装だよね、でもなあ……」
相葉さんが困ったようにうなった。
「何か……」
「マナーが面倒なんたよね」
「……あー」
「マナーといえば。お見舞いとか行く用にこれも持っておくといいよ」
白に近いきれいなグレーのワンピースを相葉さんが手渡してくれた。
「翔ちゃんもグレーのスーツで行くから、それに合うようにこれ」
「そうですね、おばあさま、入院されてるっておっしゃってましたし」
「靴も、馨子ちゃんと会うときはこっちの7センチヒールで。お見舞いは靴の音がでないようにこっちかな」
「相葉さんも馨子さんご存じなんですね」
「まあね。翔ちゃんも懐かれて大変だよねー」
相葉さんがふふふ、と笑う。
「翔ちゃんに彼女ができてほっとしたよ、しかもこんな穏やかで可愛らしい子。女の子に興味ないのかなって心配してたもん」
「……」
「俺がこう言ってたのは内緒だよ、バレたら怒られる」
相葉さんがにこっと笑った。
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さや(プロフ) - よしの様！2章お疲れ様でした。凄く丁寧に描写頂いて楽しいです！個人的には長編嬉しいです。毎回思います。終わらないでほしいと…では、また3章に行ってきますm(__)m (2021年6月23日 20時) (
レス) id: 04f741953d (このIDを非表示/違反報告)
ukyo(プロフ) - モツ鍋の〆と、その先が気になります。お互いの何となくな感情が苦しいですね。続き楽しみです。 (2021年6月21日 4時) (レス) id: fa3b80409d (このIDを非表示/違反報告)
JPN39(プロフ) - まさかのほくろの位置と顎の傷がドンピシャで自分と一緒でいつも以上に妄想に力が入りましたごちそうさまです！！！よしのさんの小説読んでると自分は櫻井担なんじゃないかと思い始める相葉担より(つまりよしのさんの小説大好きです←これが言いたかった) (2021年6月20日 21時) (レス) id: a734455ab7 (このIDを非表示/違反報告)
Kewpiechan(プロフ) - あー苦しい。ちと切ない。感情移入しちゃって大変です。よしのさんの書かれる文章大好きです。 (2021年6月20日 21時) (レス) id: 9442e8a7d3 (このIDを非表示/違反報告)
あきこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！よしのさんの作品、何度読んでも大好きです！！ (2021年6月20日 19時) (レス) id: 4cb7b4484f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月6日 8時
