自信なんて半日じゃ生まれない ページ1
デパートに連れていかれるのかと思っていたら、最初に連れていかれたのはヘアサロンだった。
「まず最初に髪とメイクをなんとかする。今の状態できれいな衣装着ても衣装に着られてる感半端ねーだろ」
「……はあ」
きっと悪意はない。失礼な人ってより、きっと本当のことしか言わない人なんだろう、きっと。
貸し切りの個室みたいなところに突っ込まれて、豪華な椅子に座らされて、寝っ転がってヘッドスパ。
気持ちよすぎて一瞬寝た。
気づいたら終わってた。
「こんなに健康な髪だとやりがいある」
松本さんが髪になんかドロドロしたものを塗って温め始めた。
トリートメント？
流して乾いたあと髪を触ったら、シルクの手触りで言葉が出ない。
「前髪自分で切ってんの？ちょっと斜めなんだけど」
くすくす笑われて顔が真っ赤になる。
イケメンの顔が近づいてきて、吐息がかかる近くで私の顔と髪を鏡越しで見る。
顔ちっちゃ！顔！こぶしくらいの大きさしかなくない？
「やっぱり和服着た時に櫻井家で誰よりも似合う感じにしたいな」
「……七緒さんより……？」
「彼女は背が高すぎだろ」
「……」
「そういやこのサイズ感が珍しいのか。あとの女性陣は皆165センチ以下いないから」
「モデルだと、そうですね……」
ああ、スタイルまで悪くてほんとどうしよう。
顔だってすごい平凡だし、スタイルだって七緒さんとかみたあと自分見たら絶望しかない。
そういやさっき見た馨子さんもスタイルお化けだった。
「でもヒール履いて翔さんに並んでも身長差が10センチくらいあるのは悪くないでしょ」
「……なぐさめありがとうございます……」
「ふふふ」
なんか笑われてる。
「ほら、自信もって！可愛くしてあげるから」
「自信なんてそんな半日やそこらで生まれるものじゃありません、小さい頃から両親に無条件に手も目もお金もかけてもらえて、」
「……うん」
「学校ではみんなの人気者、職場でもこいつ使えねーと思われたことがなく、」
「うん」
「彼氏に浮気されたことなどなかったら、自信生まれそうですけど」
「彼氏に浮気された？」
松本さんはどこまで知ってるんだろう。
櫻井さんは敵を欺くにはまず味方から、って言ってたけど。
松本さんはどの程度私たちの関係を知ってるんだろうか。
探ってみようかな。
「元彼、といいますか。婚約破棄された過去がありまして」
「ああ、聞いたな、Aとどこで出会ったのか聞いたら、婚約破棄の相談なんでしょ」
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さや(プロフ) - よしの様！2章お疲れ様でした。凄く丁寧に描写頂いて楽しいです！個人的には長編嬉しいです。毎回思います。終わらないでほしいと…では、また3章に行ってきますm(__)m (2021年6月23日 20時) (
レス) id: 04f741953d (このIDを非表示/違反報告)
ukyo(プロフ) - モツ鍋の〆と、その先が気になります。お互いの何となくな感情が苦しいですね。続き楽しみです。 (2021年6月21日 4時) (レス) id: fa3b80409d (このIDを非表示/違反報告)
JPN39(プロフ) - まさかのほくろの位置と顎の傷がドンピシャで自分と一緒でいつも以上に妄想に力が入りましたごちそうさまです！！！よしのさんの小説読んでると自分は櫻井担なんじゃないかと思い始める相葉担より(つまりよしのさんの小説大好きです←これが言いたかった) (2021年6月20日 21時) (レス) id: a734455ab7 (このIDを非表示/違反報告)
Kewpiechan(プロフ) - あー苦しい。ちと切ない。感情移入しちゃって大変です。よしのさんの書かれる文章大好きです。 (2021年6月20日 21時) (レス) id: 9442e8a7d3 (このIDを非表示/違反報告)
あきこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！よしのさんの作品、何度読んでも大好きです！！ (2021年6月20日 19時) (レス) id: 4cb7b4484f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年6月6日 8時
