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俺が前に翔ちゃんに話したピンク色のことを思い出してたら、翔ちゃんがちらっとこっちを見た。
何か聞こえたのかな。
ふふ、と苦笑してる。
「あー、味噌ラーメン食いたくなった」
翔ちゃんがそう言った。
俺が何を思い出していたかって丸わかりってことだ。
「味噌ラーメン！珍しくないです？櫻井さん」
Aちゃんがそう言った。
「そう？」
「じゃあ俺冷やし中華」
潤くんが言う。
「あなた好きねー」
翔ちゃんが突っ込んだ。
「俺は醤油一択。大野さんは？」
ニノがそう言って係長に聞く。
「俺は豚骨。やっぱ塩バター」
「あ、待って、俺やっぱ豚骨にする」
翔ちゃんがそう言ってAちゃんが、言い出しっぺなのになんで？って詰め寄ってる。
「Aちゃんどうする？」
俺が聞くと、Aちゃんはニコニコしながら俺を見上げた。
「私は味噌にします、誰かさんのせいで味噌ラーメンの気分です」
「あはは俺は醤油かな」
Aちゃんがラーメン屋さんに電話して、ラーメンが届いたら、皆に座ってって声をかけてお箸を配ってAちゃんがお茶を淹れてみんなに回すのはいつも翔ちゃんだ。
「お母さんみたい」
「誰がお母さんだ！」
だってお母さんみたいな空気出てるもん。
お父さんとはまたちょっと違うんだよなぁ。
「いただきまーす！」
皆が、おいしいな、しあわせだな、って優しい色をだしてラーメンを啜って。
翔ちゃんが口いっぱいに麺を入れてもぐもぐしてる姿を見たAちゃんからまた桜の花びらみたいなピンク。
そして、あつ、って言いながらあんまり食べられない大野さんや、同じく口の中いっぱいにして食べるニノや、吸い込むときにちょっとむせる潤くんの頭の上にもはらりとピンク色の花びら。
そして、俺の頭の上にもひらりとピンク色の花びらが落ちてきた。
Aちゃんを見たら、とくに表情を崩したわけでもない顔で周りを見渡してる。
ポーカーフェイスでもね、みんな大好きって俺には見えてんだよ？
「あ、そうだ、1時に相談来るっていうの忘れてた」
大野さんが突然そう言って皆が慌ててラーメンを食べ終えた。
世界はきれいな色で溢れてる。
ここに来る人も、最初は黒いもので覆われてても帰るときには色を取り戻してる。
だから大丈夫。
コンコン。
ノックの音。
「はい」
Aちゃんがドアを開ける。
黒い影。
出番だ。
みんなで顔を見合わせて、うん、と頷いた。
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よみ(プロフ) - …よしのさん！零課の更新、ありがとうございます！よしのさんの作品の中で一番惹かれてやまないシリーズなので、本当に嬉しいです！また1番はじめから読み返してきます！ (2022年9月9日 7時) (
レス) @page38 id: 9926011e11 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - 大好きな作品なので何回も何回も読み直してます！最後の相葉くん目線のピンクの花びらのトコロがあったかくてうるっときます。翔さん目線も気になるー！またお話湧いてきたら続編待ってます！ (2021年9月2日 23時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 零課のお話。毎回とても楽しく読ませていただいてます。また気が向いたら是非、書いてくださいね。お待ちしています。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: e156588e92 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - よしのさん、こんばんは。最後の相葉くんと翔さんのシーン、そして、皆でラーメン食べるくだり、切なくて涙ポロリでしたよ。世界中でただ一人の大切な人に、出会えてよかったな…。翔さんに幸あれ！！ (2021年8月20日 21時) (レス) id: 38fc399fe7 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 完走お疲れ様でした！雅紀くん目線で進むのが嬉しくて、内容はやっぱり怖いけど、出会って仲間になって絆が深まっていくのを知れて嬉しかったです！現在進行形でエンディングを迎えたのも、またいつかどこかでショートショートで再会出来るかな？弁天様目線でとか！うふ (2021年8月20日 6時) (レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 16時
