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夜中息苦しくて目が覚めたら金縛りにあっていた、目を開けると胸の上に老婆が座っていて私の顔を覗き込んでいた。
夜、帰宅途中、耳元でこっちに来い……と囁く中年の男の声がして振り返ると誰もいない。
職場の誰もいないはずの廊下で子供の笑い声と走る足音がする。
ベランダで白い人影のようなものが見えて、雨も降っていないのにその人影が立っていた場所がじっとりと濡れていた。
4つ目のものは鯖田自身が仕掛けたものなのに、なんてことだ……みたいなことを言っている。
「この老婆と男の声と子供の笑い声って何？作り話？」
俺が大野さんに聞いたら、大野さんがちらっと俺を見てつぶやく。
「うちに相談に来た人の実話」
「まじでー？」
「うん、その話は後でね」
大野さんがまたレコーダーに耳を傾ける。
『富楼那様にお祓いをしてもらうとなると、まずモモさんに相談料の10万円をご用意していただくことになります』
鯖田の声にごくりと喉が鳴った。
『ふるなさま……』
『はい、前にもダイレクトメールでお伝えしましたが、陰陽師です。霊を祓うことができる能力をもっていらっしゃいます』
『もしお祓いしてくださるなら場所はどこですか？お寺とかですか？宗派は？真言ですか？』
『……』
『こういうのは詐欺なんかも多いですし……ミスティ様に相談してからでも……』
桃川さんがそう言うと、鯖田の苛立ったため息と共にテーブルをバン！と叩く音がした。
『今の話はなかったことにしましょう、疑われるのは心外だ、せっかく富楼那様がモモさんを守ろうと思って僕を派遣したのに！』
『え……』
『取り返しのつかないことになりそうだ、と富楼那様直々にモモさんを霊視してくださったのに！残念です！』
『霊視？どこで……？』
『SNSで見かけてこの子は危険だと！だから僕が連絡を取ったんですよ？』
なんだそれ。SNSを見て、なんてめちゃくちゃじゃん。
けど不安な気持ちになってる子だとせっかく助けの手を伸ばしてくれた人がいたとして、その人に突き放されるのは怖いだろうな。
すると突然鯖田が優しい声を出した。
『でももし信用してくれるなら、全力で助けます。何かあったら24時間いつでも呼び出してくれていいんですよ？』
『いつでも？』
『勿論です。永久保証ですよ』
『……』
『ひとまず、富楼那様に会ってみますか？あぁ、お支払は次のときで結構です』
『どこに行くのですか……？』
『ここから見える、あの山です』
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よみ(プロフ) - …よしのさん！零課の更新、ありがとうございます！よしのさんの作品の中で一番惹かれてやまないシリーズなので、本当に嬉しいです！また1番はじめから読み返してきます！ (2022年9月9日 7時) (
レス) @page38 id: 9926011e11 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - 大好きな作品なので何回も何回も読み直してます！最後の相葉くん目線のピンクの花びらのトコロがあったかくてうるっときます。翔さん目線も気になるー！またお話湧いてきたら続編待ってます！ (2021年9月2日 23時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 零課のお話。毎回とても楽しく読ませていただいてます。また気が向いたら是非、書いてくださいね。お待ちしています。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: e156588e92 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - よしのさん、こんばんは。最後の相葉くんと翔さんのシーン、そして、皆でラーメン食べるくだり、切なくて涙ポロリでしたよ。世界中でただ一人の大切な人に、出会えてよかったな…。翔さんに幸あれ！！ (2021年8月20日 21時) (レス) id: 38fc399fe7 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 完走お疲れ様でした！雅紀くん目線で進むのが嬉しくて、内容はやっぱり怖いけど、出会って仲間になって絆が深まっていくのを知れて嬉しかったです！現在進行形でエンディングを迎えたのも、またいつかどこかでショートショートで再会出来るかな？弁天様目線でとか！うふ (2021年8月20日 6時) (レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 16時
