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櫻井くんが俺達の沈黙を破るように言う。
「でね、残木はその事務所でリストを渡してそのままキャバクラに行ったらしい、で、大野さんはよろず相談『天能会』に突入した」
「え、入ったの？あぶねー」
松本くんがくすくす笑う。
「大丈夫だった」
大野さんがエヘヘ、って笑う。
「大丈夫そう」
二人がニコニコ笑い合ってるの見て、全員がふわーとした優しい雰囲気に包まれた。
それを見てる櫻井くんもニコニコして、零課の部屋の中が皆の優しい光で少し明るくなった。
「で、中でその鯖田と名乗る男に会った、大野さん、鯖田にお金がないと言ったら追い出されたんだよね？あってる？」
「あってる」
「富楼那には会えた？」
「会えなかった」
「事務所の中どんな感じだった？」
「何か、普通の事務所なんだけど、神棚みたいなのがあった、そこにそのお酒あった気がするんだけど」
「酒？」
松本くんが首を傾げる。
「あぁ、先にその話をすると、被害者の一人が大金を下ろしたあと、酒を買っていたことがわかったんだよ」
「うん」
「その酒には熨斗をつけてくれと頼んでいたらしい、その熨斗は『奉納』。お祓いや祈祷の際、神仏にお供えする為の熨斗だよね」
「え、それって……」
「うん。酒を買ったあと、足取りが掴めなくなってる。被害者は酒を持って行方不明になってる可能性が高い」
「……」
「その酒、この辺では取り寄せしか手に入らない酒なんだけど、たまたまその店にあった珍しいものなんだ、しかし大野さんがそのお酒を見た気がすると言った」
松本くんが腕を組んで考え込む。
小日向さんが先を続けた。
「連続殺人事件との関連が疑われるけど、今のままでは証拠がない、たとえ酒に指紋が出ても、D子さんの最後の足取り、というところまでしかわからない」
「……つまり……」
「現状よろず相談『天能会』が黒に近いグレーというところまでしかわかっていない」
「話を戻しますね」
櫻井くんが微笑む。
「鯖田に会った大野さんはそのまま彼を追うことにした。そしたら今度は鯖田はモモの家に向かった」
「え」
「モモの家にドライアイスを仕込んでる姿を見つけた大野さんが、モモを呼び戻す。モモはドライアイスの白い影に驚いたフリをした」
「うん」
「大野さんは鯖田の写真を撮っていた、その写真がこれ。そして、この男と被害者たちのマンションの防犯カメラに映ってた男を比べると」
「一致したね」
松本くんが、フフ、と笑った。
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よみ(プロフ) - …よしのさん！零課の更新、ありがとうございます！よしのさんの作品の中で一番惹かれてやまないシリーズなので、本当に嬉しいです！また1番はじめから読み返してきます！ (2022年9月9日 7時) (
レス) @page38 id: 9926011e11 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - 大好きな作品なので何回も何回も読み直してます！最後の相葉くん目線のピンクの花びらのトコロがあったかくてうるっときます。翔さん目線も気になるー！またお話湧いてきたら続編待ってます！ (2021年9月2日 23時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - 零課のお話。毎回とても楽しく読ませていただいてます。また気が向いたら是非、書いてくださいね。お待ちしています。 (2021年8月26日 1時) (レス) id: e156588e92 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - よしのさん、こんばんは。最後の相葉くんと翔さんのシーン、そして、皆でラーメン食べるくだり、切なくて涙ポロリでしたよ。世界中でただ一人の大切な人に、出会えてよかったな…。翔さんに幸あれ！！ (2021年8月20日 21時) (レス) id: 38fc399fe7 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 完走お疲れ様でした！雅紀くん目線で進むのが嬉しくて、内容はやっぱり怖いけど、出会って仲間になって絆が深まっていくのを知れて嬉しかったです！現在進行形でエンディングを迎えたのも、またいつかどこかでショートショートで再会出来るかな？弁天様目線でとか！うふ (2021年8月20日 6時) (レス) id: 66137a872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 16時
