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いつもより早く出勤して仕事をしていたら、いつもの時間とぴったり同じに櫻井くんが来た。
「おはようA」
「おはよ」
「……」
「何？」
私の顔を見るなり櫻井くんが大きなため息を吐く。
「……え？」
「バーカ」
朝から暴言！
バカとはなんだ。
「……バカですって……？」
「昨日より顔色悪いんだけどどうなってんだよバーカ。帰って寝ろって言ったのに」
「……」
バレてる。
お見通しってことね。
「私もそうしたかった、ゆっくり寝たかった」
「寝かせてくれなかったとか言うなよ」
「ある意味寝かせてくれなかった」
「……」
「いびきが気になって眠れなくて最悪」
「……はぁー」
櫻井くんが小さくため息を吐いて、無理すんなよって言った。
ねぇ。
12年付き合った彼氏が私の体調の悪さに気づかなくて、7年の付き合いの同期が彼氏より私の体調の悪さを気遣うのなんなの？
この世界間違ってない？
あまりにも頭が痛いので鎮痛剤を飲んだ。そしたら少し楽になった。熱っぽかったのかも。
圭太からのラインはない。
彼女が勝手に帰ったのに何にも言わないんだな、あいつも怒ってんのかな、せっかく来たのにご奉仕しないとはなんだお前って？
はぁ？
想像でムカつくのもなんか損してる気がして深呼吸した。
お昼すぎにまた体調が悪くなった。
薬が効いてたから平気だったのか。
フラフラする。
でも踏ん張る。
「櫻井くん、急で悪いけどサクラ商事の件、風間と増田が前の時間押してていけないらしい、櫻井くんお願いできる？」
坂本課長がそう言ってるのが聞こえた。
「はい、こっちは一段落つきましたのですぐ行けます」
「誰かあと一人連れて行って。今日はもう直帰でいいよ」
「了解です。A、行こう。行ってきます」
櫻井くんが勝手に決めた。なんで。
「すぐ出れる？」
「……うん」
「早めに終わらせるぞ、お前は帰って寝ろ」
櫻井くんがなかば引きずるように私を連れて会社から出る。
そんな顔色悪いかな？
「そこまで顔に出てる？」
「何年の付き合いだと思ってんだ」
まいったな。
「ごめん」
「いいよ、昼食った？」
「おそば……」
「熱は？」
「無いと思う、頭が痛くて」
「……」
櫻井くんが私の額に触れた。
冷たい手。
「行ける？」
「行くよ、サクラ商事は前担当してたから私便利だよ多分」
「よし、さっさと終わらせよう」
私にあわせて歩いてくれる。
車道側を選んで歩く隣の気配。
ああ、なんかもう。
泣きそうだ。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
