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「……今からデートだるいなと思って」
「……」
櫻井くんが私を見下ろす。
「やめとけば？」
「……え？」
「無理していかなくていいと思うけど。付き合い長いんでしょ？」
「まあね」
「じゃあ日を改めてもらえば？」
櫻井くん珍しいな、人の私生活まで口を挟む人じゃないのに。
「さすがに2週間ぶりなのに断るのちょっと抵抗ある……」
「そういう意味じゃなくて」
櫻井くんが私をじっと見た。
「なに？」
「あー、気づいてない感じだなこれ」
「何が？」
「今日夕方くらいからお前顔色悪い、寒そうにしてるし風邪ひきかけてるだろ、帰って寝ろ」
「……」
「じゃ、お疲れ」
櫻井くんがそれだけ言って仕事に戻った。
パソコンの前に座ってコーヒー片手にモニターをチェックしてる。
櫻井くんがモニターから顔を上げたときに、パッと目があった。
わ！びっくりした！って顔した。
そうだよな、気づいたら麗しい櫻井くんの横顔を1分位ぼーっと眺めてたわ、私。
帰ろう。
立ち上がる。身体が重い。
櫻井くんがちょっと心配そうにヒラヒラと手を振った。私も苦笑して手を振り返す。
『ごめん、あんまり体調良くなくて。
またにしてもらえるかな』
圭太にラインを送ったらすぐに返事が来た。
『飯だけでもいこうぜ、
今、もう近くにいるよ』
あー、もう。
逃げられない。
仕方ない。
最寄り駅まで行ったら圭太がいた。
「なんだよA、普通に元気そうじゃん」
「……久しぶりだね」
「そうだな、なぁ、トンカツ食いに行かない？ここに来る途中トンカツのいい匂いがしてさ！急に食いたくなった！」
「ちょっと体調があんまりよくないからトンカツは……」
「そっかー、じゃあどうする？軽く居酒屋でも行く？あ、それかお前なんかうちで軽く作ってくれる？」
「……買って帰っていい？」
「まぁそれでもいいけど。今日泊まるだろ？」
小さなすれ違い。
その些細な気持ちのズレが耐えられないくらい不快だったりする。
大好きだったら、むしろ疲れてるときの癒やしになったりするようなことなのに？
まるで不協和音。
今から圭太の仕事の愚痴を聞いて、ご飯を作って、夜のお相手もしなきゃいけないの？
想像しただけで、疲労度が増す気がする。
なんかもう。
生理的に無理だ。
なんてことを、何度も何度も感じてる。
けど別れる勇気もきっかけもない。
やけにご機嫌な圭太に違和感を感じながら、気づかれないようにため息を吐く。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
