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私が気持ちがちゃんと伝わったかどうかはわからないけど。
櫻井くんは、また泣きそうな目をした。
櫻井くんが、そのまま迷ってる。
今ならまだ思いとどまることができる、みたいな、自分自身と戦ってるように見えた。
それは彼女に対する罪悪感？
そう思ったら体も心も八つ裂きにされるくらいの痛さが襲ってきた。
親友は永遠かな、と漠然と思ってた。
櫻井くんに彼女ができても婚約しても結婚しても、私はその幸せな笑顔を近くで見る権利があると信じてた。
それを今日まで信じて疑ってなかったんだ。
むしろ儚く終わるのは恋愛の方だと思ってた。
友情は壊れないと勝手に思い込んでた。
けど、櫻井くんはそうではなかったんだ。
私達はいつか友達ではいられなくなる日が来るって、櫻井くんはとうに知っていたんだ。
そうだ。今ここで壊れなくても、遅かれ早かれ私達はいつか会わなくなる。
それは。
私が櫻井くんの彼女に負けたということになるのかな？
私は圭太より櫻井くんの方が好きだけど、櫻井くんはそうではなかったということだ。
負けたことが悲しいわけでも悔しいわけでもない。
私を絶望させるのは、あなたの未来に当然みたいな顔して横にいる女が、必ず私ではないということだ。
「A、俺……」
櫻井くんの囁くような声を、遮った。
「私……もう眠くなってきた」
櫻井くんを思うなら、私はここで逃げるべきだ。逃げてあげなきゃ。
櫻井くんが負けてしまわないように、櫻井くんが後悔しないように、櫻井くんが自分の手で自分を汚してしまわぬように。
逃げ道を作ることにした。
「櫻井くん、どっちのベッドにする？私、こっちにしてもいい？壁ある方が安心する」
「……」
櫻井くんが目を閉じた。
眉間にしわ。
「さむーい、もう寝る」
「……」
ベッドのシーツの中に潜り込んで、丸くなって目を閉じた。
最低なのは、私だ。
まだ踏みとどまっている崖のギリギリの淵のところにいる櫻井くんを。
ねぇ、一緒に墜ちようよ、なんて。
言ってしまうところだった。
なんだか泣けてきた。
バカみたいだけど、今頃になって泣けてきた。
櫻井くんは結婚したい彼女がいることを、私は決して忘れてはいけないんだ。
私は、櫻井くんに浮気をさせるわけにはいかない。
櫻井くんが大嫌いな圭太と櫻井くんを同類にさせるわけにはいかないんだ。
ねぇ、私やっぱり男に生まれたかったよ。
そしたら、こんな風にならなかったはずなんだ。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
