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私は櫻井くんを罪人にした。
しかしその罪を教唆したのは間違いなく私だ。
そう誘導した自覚はしっかりある。
けどそんな私達を、誰が責められるというの。
むしろ、散々こんな機会があったのに、今まで一度もこうならなかったことを褒めてもらっていいくらいだ。
それくらい、まるでこうならなかったことがバカバカしくなるくらいの、圧倒的な相性の良さを痛感するだけ。
櫻井くんが私の頬を両手で挟んで、散々キスの駆け引きしたあとに、私たちはおでことおでこをコツンとぶつけた。
「……あは、櫻井くんとキスしちゃった……」
「……あぁ、もう……」
櫻井くんが悔しそうにそう呻いて、私をもう一度強めに掻き抱く。
ちょっと苦しい。
「ごめん、櫻井くん」
「謝るのは俺の方でしょうが……」
櫻井くんが吐き出すように言った。
「……」
「なぁ、A……？」
櫻井くんが囁くように呟く。
「ん？」
「……ごめん、俺、酔ってるかも」
「……うん、私もだいぶ酔ってる」
「だから……俺……最低になってもいい？」
櫻井くんがちょっと鋭い目で私を見下ろしてから、チラリと視線をベッドの方に向ける。
その予感に、体が震えた。
どうしよう。
私はなんて答えたらいいの？
逃げる？逃げたい？私はどうしたいの？
わからない。
けど私はもう櫻井くんを少しも失いたくない。失うくらいなら全部ほしい。
ねぇ、もしかして。
友達じゃなくなれば、もしかして私達は別れなくて済む？なんて危険な考えが頭を掠める。
私にはまだ別れていない彼氏がいて、櫻井くんには彼女がいるってことはわかっていたのに、今はそんなことどうでも良くなっていた。
浮気？
そんな簡単な言葉なんかで片付けられたくない。
浮気と片付けるには。
余りにも余りにも私達は真剣すぎる。
男女が親友になれないなら、もうこれしか方法はないと思ってしまうくらいの真摯さで。
正直絶対超えたくないと守り続けてきた一線を、私達は今頃になって超えようとしてる、その覚悟を浮気だって？
最低になってもいいか、なんてバカげたこと。
いいに決まってる。
それが恋かどうかなんてわからないけど、どんな櫻井くんも必ず好きなのはわかってる。
私は櫻井くんが櫻井くんである限りもう全てを認めて全てを愛しちゃってんだから。
「櫻井くんは最低にならない」
「……え」
「櫻井くんはどんなときも最高だもん」
「……」
「最低な櫻井くんは、私にとっては最高だよ、きっと」
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
