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二人で同時に窓の外を見た。
窓ガラスが反射して鏡みたいにこちら側の世界を反転して映し出す。
硝子の中の櫻井くんと目があった。
櫻井くんが硝子の中の私に触れようと手を伸ばす。
なにこれ。
慌ててこの雰囲気を変えようと声を出すことにした。
「お腹空いたね、食べよ」
「……ん」
櫻井くんの腕がストンと落ちてソファに脱力する。
「せっかく温めてもらったのにもうちょっと冷めてる。温め直す？電子レンジ、館内案内図に書いてるかな」
「……」
「お湯沸かす？ポットは……」
なんで何も話してくれないんだ櫻井くん。
「もう面倒だよね、このまま食べちゃおっか」
「……」
「ビール……乾杯する？」
ビールを手渡そうとしても櫻井くんは動かない。
仕方ないから櫻井くんの分もビールのプルタブを開けようとしたら櫻井くんが私の手からビールを取り上げた。
一瞬手が重なってまた目が合う。
ちょっといつもと目つきが違う。
「どうしちゃったの、櫻井くんー」
櫻井くんが何も言わずに、私の目を見つめたままビールを飲んだ。
長い沈黙。
表情も変わらない。
心臓の音が聞こえそうなほどの静寂。
私達二人残して世界が消えたかのような。
櫻井くんが突然、少し体を動かした。
ビクリと私の体が跳ねる。
櫻井くんの体重が移動したぶん、ソファがキシ、と音を立てた。
櫻井くんの指先がそろりとテーブルの上を這って、私の指と指を絡める。
ちょ、ちょっとまって何これ。
「え、櫻井くん……？」
「……どう？」
「なに……？」
「ちょっとは色気感じた？」
「……」
「……」
見つめ合う我々。
櫻井くんの口角がいたずらっぽくキュ、と上がった。
「……は？」
「……フフン」
「ばっ…………か！バカタレ！」
私が中腰で怒鳴りつけたら櫻井くんが小さくなってきゃーって言った。
「やっぱ飲まなきゃ無理かぁ、手強いなぁ！まぁ飲め飲め！飲んで今日こそ俺の色気を聞き出してやる」
ばくばくばくばく！
心臓の音！うるさい黙れ！うるさい！
「バカ……」
「あ、おこった？」
「今から一晩一緒にいる羽目になるのに迷惑だなぁと思っただけです！」
「なんだよう、冷たいなぁー」
「……」
もう知らない！ご飯食べる！
パスタをもぐもぐしてたら櫻井くんもゴソゴソと食べ始めた。
「せっかくだから美味しいもの食べたかったよね、ルームサービスでも良かったかも」
「……」
「無視すんなよー……」
「……」
笑う櫻井くんをじろりと睨んだ。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
