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彼氏。たしかそんな奴いたな。
もう別れたつもりになってたや。
櫻井くんに言われて久々にいーちゃんのインスタを見てみる。
今日の投稿。雪の写真とキャンドルとシャンパングラスみたいなのが写ってる。
『この雪がずっと降り続いたら
このままずっと一緒にいてくれるかな
ずっと一緒にいたいだけなのに』
なんて書いてあるな。
こんな短い文章に3回も『ずっと』を入れても平気な女なんだな。
「大丈夫に決まってんでしょ、ほら見て浮気相手のインスタ」
櫻井くんに見せてみた。
眉間にシワ寄せて読んでる。
「『ずっと』が3回……」
お！同じ感性！嬉しい！
「濁点って文章の音を濁すよね、きれいなこと書きたいならこれはない」
「お前ならどう書く？」
「うーん……」
「わくわく」
「わくわくされるとハードル上がる」
「あはは」
櫻井くんがジャケットを脱いだ。
ネクタイをするりと外す。
スリッパは？……あ、ここか。
櫻井くんの独り言。
櫻井くんがジャケットをハンガーに掛けてから洗面所で手と顔を洗った。
「タオル一枚使うよ」
声がした。
キレイにメイキングされたベッドが2つ。
備え付けの小さなテーブルの上には色気のないコンビニの袋。
戻ってきた櫻井くんがカーテンを開けて、窓の外を見た。オレンジ色のライトが櫻井くんを柔らかく縁取って、これ積もるかなぁ、なんてのんびりした口調で呟く。
「A？」
「雪のせいにして、君をこのままさらってもいいかな」
櫻井くんがバッ、とすごい勢いで私を見た。
驚いた顔。
目なんかまんまるで息まで止まってる。
顔を洗ったからか、少し濡れたサイドの髪が櫻井くんの白い頬の上で小さく揺れた。
「…………え？」
「私ならこう書くかな」
「……」
「ずっとを3回も使わなくてもこのままずっと一緒にいたいよってのは……」
櫻井くんが驚いた表情のまま、ゆっくり口を開く。
「びっ…………くりした……」
「え？」
「俺の気持ち読まれたかと思った」
……！
今度は私がビックリして固まった。
それは、どういう意味。
え？ちょっと待って？
いやいやまさか。
「…………」
「俺も。俺も多分そう書くよ」
櫻井くんがそう言った。
ああ、そういう意味か。
そういう意味だよね、そりゃそうだ。
「気持ち読まれたなんて言うから驚いたじゃない、櫻井くんも俺ならどう書くかなって考えてたのか！あはは！」
「……」
「……」
沈黙。
窓の外には雪が容赦なく降り積もる。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
