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「否定されたように感じた？」
「否定された」
「それでどうした？」
「シェイクスピアが好きなのかどうかわからなくなった。だからわかりやすいものを好んで読むようになった」
櫻井くんがふぅ、とため息を吐く。
「シェイクスピアやユゴーの、どこが好きだったの？」
「……登場人物それぞれの複雑な心理。皆それぞれに自分の正義とか想いがあって、それが少しずれてるばかりに悲劇になるの、みんな必死に生きてるだけなのに」
「ってことを、小学生で悟って頭で理解したってことか」
「うん」
櫻井くんがフフフと楽しそうに笑った。
「圭太はお前のどこが好きなんだろう」
「顔かな」
「顔っ？」
「顔が好きなんだって。顔だけだよ、だってホントは可愛らしい仕草とか話し方の子が好きなんだもんアイツ」
「Aも可愛いじゃん」
「そんな見え透いた慰めいらない」
櫻井くんが私の顔をじっと見た。
「いや、可愛いよ、Aは」
「……マジで言ってる？」
「マジで言ってる」
見つめ合う私達。
「どういうとこが？」
ああ、ついに聞いてしまった。
馬鹿だ私。
真に受けるなよ。
「頑張り屋なとこ。一生懸命なとこ。負けず嫌いなとこ。その負けたくないってのは他者じゃなくて敵が自分なとこ」
「……」
「強がってるけど時々ポッキリ折れて凹んでたり……平気だから放っといて！って強がってんのに手が震えてたり」
「武者震いだもん！」
「そういうことにしといてあげる」
「……」
「あとは……」
「うん」
櫻井くんが私の目を見た。
「ねえ気づいてる？」
「なに？」
「人の話一生懸命聞くとき、ちょっと前のめりで上目遣いで口が一文字でペン持ってるときも持ってないときも右手がグーになってんの、今もそう」
「……っ」
ほんとだ！
「そういうとこ可愛いと思うよ」
ちょ、ちょ、ちょっとまって？
まずいぞ。
私が今一番攻略したいのは櫻井くんのような気がしてきた。
略奪じゃなくて攻略。
「そんなこと言ってくれるの櫻井くんだけだよ、でも普段女扱いしてくれない友達に可愛いとか言われてもホントかよって思っちゃう」
「そっか」
「そういうの、私じゃなきゃちょっとグラグラ来ると思うから気のない子にはそういう、いつも見てるよみたいな言い方まずいよ」
「大切な友人が元気ないからたまには憎まれ口以外のことも言ってみようかなと思っただけなのに」
おっと、友達防御の友達返し。
大切な友人。嬉しいのだけど。
なんだろ、この感覚。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
