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「さて、少し顔色は良くなったけどまだ具合悪そうなのでAは早く帰りなさい」
「櫻井くんは？」
「一旦会社戻ろうかな」
「……」
「あは、寂しそうな顔すんなって」
「はっ？」
なに！寂しそうな顔してた？嘘だ！
慌てて頬を両手で押さえる。
顔がカアッと赤くなった。
「え……A……？」
「……見るな……」
「え、何その反応……」
櫻井くんがアハハ！って笑ってる。
「私が寂しがるとかありえない」
「寂しい日とかない？」
「ない！」
「ない？」
「ない……」
「ないんだ、へぇ」
いたずらっぽい目で私を見下ろしてニヤニヤ笑った。
「なによ！」
「可愛いやつ」
「なんだそれ！」
プリプリしながら駅について家に帰ろうとしたら櫻井くんがニコニコしながら、気をつけろよーと言った。
ムスッとしながら手を振って、背を向ける。
少し歩いて、なんとなく櫻井くんを見送りたくなって振り返る。
櫻井くんのおしゃれなステンカラーコートの背中を見たら、櫻井くんがパッと振り返った。
櫻井くんが立ち止まる。
これドラマだと恋が始まる曲流れるとこだな。
なんてちょっと思っていたら、櫻井くんが小走りでこっちに向かって走ってきた。
「え、なに！」
「やっぱ俺も直帰しよーっと」
櫻井くんが並んで歩き出した。
「……」
「なんかフラフラしてて心配だからお前んちの最寄り駅まで送るよ」
あぁ、もう一回心から思う。
彼氏が櫻井くんだったら良かったのに。
そういう意味じゃなくて。
「……彼氏が櫻井くんなら良かったのに……」
「どういう意味かちょっとわかんないけど、彼氏にはないものが俺にはあるってことだろうなきっと」
「……うん」
「俺は車道側を歩くし、歩調を合わせるし、結婚していないのに亭主関白はしないように心がけてる、いびきはするかも……？」
「……」
「そういう意味でしょ？何も言わなくても彼氏がそうなってくれたらいいなってことだよね」
「そういうとこよ……」
「ん？」
「私の気持ちを寸分違わずにくみ取ってくれるそういうとこが好きなんだよ」
「その好き、ってのも、ピンクより赤が好きとかそういう意味でしょ」
まいったなぁ。
そういうとこ。
「でも、唯一無二だよ」
「俺もAのことをそう思ってるよ」
ああ、そうなんだ。
両想いなんだ。
それは恋じゃないとしても。
「櫻井くん」
「……なに？」
「何もない」
櫻井くんが私の頭をポフポフ叩いた。
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yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
