1 ページ1
男女の友情は成立すると思いますか？
その質問に食い気味に「イエス」と答えてきたのは、櫻井くんがいるから。
櫻井くんにも男女の友情は成立すると思いますか？と聞いたら、私の顔を思い浮かべながら「イエス」と答えるはずだ。
私達は、友達だ。
櫻井くんには結婚を考えている彼女がいて、私も両親の挨拶も終わってる結婚予定の彼氏がいる。
櫻井くんとの関係をシンプルに言うと、会社の同期だ。
そんな私達の仲を親密にしたのは、櫻井くんが友達にしつこく合コン合コン合コンと言われたところから始まる。
櫻井くんは焦っていた。
そんなこと言われても今日急に女の子集めるなんて無理だよ、ちくしょう。
そんな声が聞こえてきたのは仕事終わってしばらくした頃。リア充のキラキラ女子たちが『お先に失礼しまぁす』って帰ったあとのこと。
「やっとできた……！」
私がデータを保存してメールを送ってふと目を上げたら櫻井くんとバチ！と目があった。
「……なんすか？」
「なんすかって何だよ」
「用がないならこっち見ないで下さい」
「はぁ？かわいくねー！」
「可愛げのない女ですみませんね！」
「そっか、お前も一応女か……黙ってたら……可愛いく見えたり……する物好きも……」
櫻井くんが私を品定めした。
「最低」
「ごめん！お詫びに飲みに行こ」
「おごり？」
「おごり！」
「行ってもいいけど……」
「で、悪いけどあと女の子3人くらい誘えない？」
「ハ？」
櫻井くんが両手を合わせて手より頭を下にしてこのとおり！ってペコペコした。
「ハーレム作る気……？」
「違う！合コン！今日来る予定の女の子たちが急に親が体調崩したりしてドタキャンで……」
「あー、医者とか弁護士とかの合コンと重なって負けたのかなー！」
「……うっそ」
「お気の毒」
「凹む……」
「……営業部ならまだいるかもよ、しーちゃんとその後輩誘う？」
私が内線を掛けようとしたら、櫻井くんがホッとしたように笑った。
その合コンで知り合った櫻井くんの学生時代からの親友の英くんと、私の同期のしーちゃんが結婚したことで私達は一気に仲良くなった。
しかし。
もし何かの間違いが起こっても櫻井くんとは何ともならないよー！とか、はぁ？何回二人で夜明かししたと思ってんだよ、ってギャハハと笑っていた、そんな二人に。
何かの間違いが起こってしまった場合。
さて、
もう一度問う。
『男女の友情は成立すると思いますか？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1894人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuuuuuuuuri1226(プロフ) - 8ページの深呼吸のところが新呼吸になってます！ (2021年3月7日 0時) (
レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 更新に全く気が付かず出遅れるとは！越えたかー！越えてしまったのかー！ここから友情に…むっ難しい…どうなるんだろうか…ドキドキ (2021年2月1日 23時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - キュンが止まらなくて困りますよこんなの！次も楽しみにしてます！！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 1b6c03fa67 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - もうドキドキが止まらない！サイコーです。よしのさんありがとう！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 97bb53cb68 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - よしのさんありがとうございます！！翔さんありがとう！！切ない気持ちがまたいいですね！移行通知くるの待ってますね(^^) (2021年1月31日 12時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月25日 0時
