〇≠無の証明Ⅳ－４ (ページ4)

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ホテルの近くの洋菓子屋さんで、手で食べられる方がいいよねってシュークリームをお土産にしてホテルに戻る。

ホテルの前でちょうど帰ってきた相葉さんと二宮さんと合流した。

「おつかれ」
「お疲れ様。病院で集合じゃなかったの？」
二宮さんが不思議そうに言う。

「病院で調査するより先にまとめたいことができたんだよ」
櫻井さんが眉間にシワを寄せて二人にそう言った。

「俺らもそう。だから帰ってきたの」
「もしかしたら大野さんと松潤もそうかもね」
相葉さんがそう言った。

部屋に戻ると、松本さんと大野さんが私達の顔を見て、おかえりと言った。

「お土産」
櫻井さんが箱を皆に見せる。

「ルームサービスで飲み物頼みますか？」
「あ、コーヒーみんなの分買ってきた、チルドのやつ。どれにする？」
松本さんが立ち上がる。

「俺らも買ってきちゃった」
相葉さんがアイスコーヒーとお茶のペットボトルを私達に見せた。

「おかわりいっぱいできますね！嬉しい」
私がそう言ったら、全員が
『よしよし、好きなだけ飲めよ』ってお父さんみたいに私を見た。

「なんで戻ってきたの？」
二宮さんが大野さんに聞く。

「公安と警察で話を聞いてきたけど、ちょっと妙なんだよな、あの病院」
松本さんが代わりに答える。

「どうおかしい？」
櫻井さんが私の横に座ってラテを手に取った。

「あの病院、自死と行方不明者多発してる」
「うん、そうなんだよね」

「俺らもそれで時系列まとめたくてこっちに一旦帰ってきた」
二宮さんがそう言った。

「ホワイトボードないから……これでいいかな」
櫻井さんが私の前にドサッと白紙の紙を置く。

「まとめよう」
「うん」

「俺らがわかったことザッと言うよ？」
松本さんがメモを見ながら声を出す。

「まず、一番はっきりわかってる邨田さんのことからいくね。五年前の失踪当時27歳。金曜日の未明に行方不明になってる。土曜の午前診のあと映画を見に行く約束をしていたが翌日出勤してこなかった」
「勝手に休むような子じゃないって差島さんも言ってた、真面目で良い子だったって」
櫻井さんが付け足す。

「映画を一緒に行く約束をしていた友人曰く、土曜日に仕事終わったら連絡するねとメッセージがきてそれきりらしい」
二宮さんも付け足した。

「失踪の可能性が低そう。事件の匂いがするけど、捜索はどうなった？」
「事件性なしと判断され捜索はされていない」

私の問に松本さんが首を横に振った。