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「……うーん……鎌の男は顔がよく見えないの、マスクなのかなぁ……顔を何かで覆ってて……」
「髪型は？」
「ボサボサだった、身長は180センチくらいあったように思う、肩幅は広めで大きい……」
「……身長、180センチくらいで体格がいいといったらこの二人かな」
二宮さんがiPadで写真を見せてくれる。
「……色白ではなかった気がする……全体的に日焼けしてたような……」
「じゃあこいつ」
「この人かなぁ……この人の詳細は？」
「えっと、屑山……あ」
二宮さんが固まった。
慌ててメモを見る。
「どうしたの？」
「1965年から行方不明……になってるよ……」
「1965年？それって旧館の工事……し始めた……」
全員が言葉を失った。
「行方不明者が追加されたな」
櫻井さんが淡々と言う。
「ねぇちょっとまってえ、俺頭パニックだよー！」
相葉さんが頭をワシワシと掻く。
「おれも」
大野さんは考えるのをやめたのか、シュークリームうめーって感じでフワフワ笑った。
「で、結局俺らはどうしたら鎌の男とその虫を退治できるんだろうな？」
松本さんがテーブルに肘をついて宙を睨む。
「全てを白日の下に晒す、その時に相手がどう動くか、だよな」
「相手とは？」
「虫」
櫻井さんも松本さんと同じようにテーブルにだらんと貼りついた。
「ま、なるようにしかならないでしょ、大野さんはビーム出す練習しといてね」
二宮さんがシュークリームをそっと大野さんの前に置く。
「無理」
「まぁそう言わずにー、シュークリームあげるからさぁ」
「無理だ」
「ひとつ、ハッキリしてることはある」
松本さんがよいしょ、と起き上がってそう言ったら皆が目だけを松本さんに向けた。
「カラビナ付きのロープ、会議室の盗聴器、これらを持ち込んだ奴は病院内にいる」
「私多分それ河東だと思うんだよ」
皆もそう思ってたのかな。
みんな頷いてる。
「それと……彼にあんなにしっかり黒い影がついてるってことは相当深くまで虫が彼に取り憑いてる」
「うん」
「奴は誰かを殺そうとしてるかもしれない、それは阻止しないといけない」
皆がうん、と頷く。
「仕方ない、河東に当たりに行こうか……妙なこと考えてるなら心の方の声聞かなきゃ……」
櫻井さんが、はぁぁぁ、と大きなため息を吐いた。
「もしピンクの声がうるさかったらどこか行ってね」
櫻井さんがぐなーっとなって脱力してる。
「行こうか」
皆が頷いて、立ち上がった。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月5日 16時
