調査内容 ページ2
櫻井さんがさっき聞いた話と昨日の夜ミラーくんに聞いた話を時系列でまとめたい、と言った。
「そうですね」
「他のみんなも何か聞けたかな。話をまとめて一覧にしないとスッキリしない」
櫻井さんは他のメンバーのことばかり気になるようで、お昼ご飯に二人でお蕎麦を食べていても、スマホばっかり気にしてる。
「ホテル戻りますか？」
「お前と二人で？」
「何か不都合でも？」
「二人で部屋の中にいたら、またお取り込み中でしたか？とか冷やかされて面倒だろ、勘弁してよ」
櫻井さんがめちゃくちゃ嫌そうに言う。
「……」
「みんなに連絡しよーっと」
櫻井さん、ほんとチーム零のみんなが好きだよな。私は時々余所者だなぁと、強く感じる。
「『何時集合ですか？時系列ごとに整理したいのでお願いします』と」
櫻井さんがポチポチしてる。
私はそれをちらっと見ながらお蕎麦をすする。
「あ、智くん今一旦帰ってるって！俺らも戻ろうか」
櫻井さんがホッとしたようにそう言った。
私と仲いいなとか言われるのそんな嫌なのかな。まぁいいけど。
……ってなんでこんな複雑な気持ちになってるんだ私？落ち着け。
「お土産買って戻ります？」
「うん、おやつ買って帰ろー」
櫻井さんが私が食べ終えるのを待ってる。穏やかな笑顔。もやもやする。
「A」
「はい？」
「そんな急いで食わなくていいよ、ゆっくり噛めよ」
櫻井さんはさっき聞いた憂鬱な出来事など忘れたかのように窓の外を眺めてる。
きれいな横顔だな。
「ごちそうさまでした」
「結局急いで食ったなお前」
櫻井さんがキラキラっと笑った。
私の目どうかしちゃったかな。
「タクシー乗る？」
「歩いてどれくらいかなぁ」
「15分くらい？」
「それなら今雨止んでるし歩きますか？」
「そうだな」
櫻井さんがお蕎麦代を出してくれて、ごちそうさまでした、と頭を下げたら、櫻井さんがどういたしまして、と笑ってゆっくり歩き出した。
「頭を整理しながらホテルに向かおうか」
「はい」
「さっきさ、結局旧館の倉庫で自ら命を絶った人の話出ただろ」
「はい、医者ひとりと基田野さんって方」
「あれってさ、同じ倉庫なのかなぁ」
「でも今はもう無くなってますよね、多分あの更地になってたとこですよね？くっつき虫の雑草がどっさり生えてたとこ」
「うん。でもミラーくん、基田野さんのご遺体は家で見つかったって言ってたよな？」
櫻井さんが腕を組んだ。
考え込んでる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6024人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月5日 16時
