王子VSモブ男 ページ19
「たまご買いに行ってたりっての聞かれてたよね」
「多分ね」
二人でフフフフって笑って、やっと櫻井さんが普通に戻ってホッとした。
彼は王子でも俺様でも最低男でもなんでもいいよ、ニコニコ笑ってるのが似合ってるよ。
「さっきのAの言葉」
「んー？あっつ！」
クッパ熱い！なんでこんな熱いの？ってくらい熱い！だめだ、冷まそう。
私を見て櫻井さんが、はは、って吐息だけで笑った。私は櫻井さんのこの声を出さない笑い方がとても好きだ。
「やけどしたー笑うなんてひどー」
「大丈夫？」
「舌冷やしたい……」
「カクテキで冷やす？」
「ドSだー」
ヘラヘラ笑ってたら櫻井さんが、フッと真顔に戻った。
「……ん？」
「軽いノリでキスなんてしない」
「……んんっ？何いきなり！」
「だから。軽いノリでキスなんかしねーよ」
「……」
「王子のキスいただきましたーごちそうさまーって何だよそれ……」
えっ、逆ギレですか！
櫻井さんに腹を立てられる筋合いだけはないと思うんですけどね！
「じゃあ何が正解だったの？」
「前のときは嬉しくて泣いたんだろ！」
「あのときはね！そりゃあのときはまだ恋に恋する乙女でしたからね！」
「俺のも嬉しくて泣けよ！」
「チョットイイデスカ」
「ナンデスカ」
「何を仰ってるのかちょっと理解できないんですけど、私が変なんですかね？」
「うん」
ふー。ふー。
あつ。あ、でも、おいし。
「櫻井さん一口食べてみません？美味しいですよ、これ」
「まじ？一口ちょうだい」
「はい」
スプーンを渡す。櫻井さんが目をキラキラさせてスプーンを受け取った。
「熱そー！」
「熱いですよ！」
「ん。……ん！あっつ！……は？うま！」
「ね！」
うん。うまく誤魔化せたな。
よーしよーし。
美味しいものってすごいな、強制リセットする力がある！
櫻井さんが一口と言ったのにフーフー冷ましながら食べ続けている。
早く返してください。
返してくれないならもう一個頼みますけど。
「で、Aの好きな男、俺じゃないんだとしたら誰だよ？石田？」
あ！誤魔化せてなかったー！
仕方ない。石田くんのことを話そう。
「櫻井さん、石田くんのことどう思います？どう見えます？」
「ああ、あの程度のレベルの分際で俺のAに色目使う頭のイカれた奴」
「……俺のAって」
「俺のAだろ？真偽はともかく表向きはそうなってんだから」
櫻井さんがクッパをフーフーしながら私をちょっと睨んで言った。
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
