王子の予想とモブ男 ページ12
「ほんと、黒田さんには気をつけたほうがいいと思うんだよね」
「うん……」
「こないだご飯行っただろ？」
「どうして知ってるの？」
「一緒に歩いてるとこ見たよ、麻倉さん危ないかもって……気になって……」
石田くんが心配そうにそう言った。
「ありがと」
「開発研究部の機密事項とか知りたくて麻倉さんをくどいてるのかもしれない……」
「でも私、彼氏が……」
「櫻井さん？」
石田くんが前髪の隙間から私を見る。
「うん……」
「でも今、喧嘩してんだよね？」
「うん、別れるかも……」
とか適当なことを言う私。
「喧嘩の原因は何？」
「……あー。大事なこと嘘つかれてて」
「婚約者のこと？」
ゴリゴリくるな、石田くん。
「そんな感じ……」
「あんなやつ辞めたほうがいいよ！」
「……」
「俺なら……麻倉さんのこと泣かせないのに」
石田くんが前髪をかきあげた。
メガネを外す。
なるほど。
確かに櫻井さんが想像してたとおり。
メガネ外すとまぁまぁイケメン。
ただ私は昨日！キスするかってほどの至近距離で！っていうかキスしたんだけど！
至近距離であんな美しい顔見たんだぞ……！
中途半端なイケメンなんて屁でもない。
「俺、麻倉さんのこと……前からいいなと思ってて……」
おっと石田くんの告白を前に櫻井さんのこと考えてムカついてたよ。余裕だな私。
「……」
「……返事はいらない、だけど気持ちだけ知っててほしくて……」
「……え……」
「勝手に好きでいてもいい？」
なんてこった。
櫻井さんがあいつ狙ってんじゃねーの？って言ってたけどほんとにこの展開。
「ごめんなさい……」
「櫻井さんのことが好き？」
「……」
「婚約者いるのに？」
「……うん……」
「そっか……」
石田くんがため息を吐いた。
「……」
「麻倉さんのことは応援する……けど、もし麻倉さんを泣かせるようなことがあったら俺絶対あいつ許さないから」
「……」
「俺は、麻倉さんの味方だから！……だから、何か困ったことあったら……頼ってほしい……」
「ありがと……」
「うん、あ、でも。気まずいからって避けたりしないでね？今まで通りで……」
「……勿論だよ」
「じゃあ！」
石田くんが走って帰って行く。
よし。
恋愛相談して石田くんを味方にして、A可哀想、って周りを固めていくという構ってちゃんのフリして石田くんを探ろう。
石田くんの背中を見送ってみた。
一度も振り返らなかった。
ねぇ。
私のこと好きなんて噓でしょ？
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
