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ハッと目が覚めた。
周りを見渡したら誰もいない。
大野さんだけがお風呂あがりみたいなほこほこした感じで、ソファに座ってうとうとしてる。
みんなは？どこ行ったかな。
時計を見る。
8時。
結構寝た。
起き上がって顔を洗って戻ったら、大野さんがぱっと目を開けた。
「あぁ、A、おはよ」
「おはようございます、みんなは？」
「飯食いに行った」
「え、もしかして大野さん、私のこと待っててくれました？」
「うん、じゃんけんで負けた」
「負けた……？」
「うん」
まあいいけどね。
まあいいのよ、別にね。
「私達も行きます？」
「ん」
大野さんが、上から引っ張られたかのような、体重がないかのような感じにすくっと立ち上がって私をチラッと見た。
「どう？体調は？」
「なんか、変な感じします」
「どんなかんじ？どういう？」
「こう、スカーッとしてて、病み上がりみたいな？」
「ふーん」
大野さんに、昨日感じたような親近感がなくなって、他の人と同じような感覚に戻ってるのことに気づく。
「……あれ？」
「ん？」
「ちょっと何か……感覚が……ん？」
「ん？なに？」
もしかして、私の中にいた虫は、二宮さんと大野さんに親近感を抱いていたのか？
それはなぜ？
大野さんは門なのに？
二宮さんだって覡、シャーマンなんだから中の虫にとっては苦手なはず。
大野さんと二宮さんの共通点は？
霊が見えないことと、霊が避けてること、それと。
二宮さんには女神様がついていて、大野さんには鬼神がついている。
虫は、神を恐れぬということか。
背中に嫌な汗が流れた。
神を恐れない霊なんていない。
神を恐れないということは。
その黒いお腹の虫は。
……鬼？
霊が力を持って怨霊になる。
怨霊が意志を持って鬼となり、他の霊魂や人を喰らうのだ。
二宮さんは鬼と神は力を持った霊魂の事だといった。
だからつまり。
私のお腹の虫だったものは、鬼？
ちょっと待って？
私達は鬼を相手にしてる？
「大野さん……」
「ん？」
「私達が退治するものは……ほんとに霊かな」
「鎌男じゃなくて？鎌男は人間でしょ」
「そうなんだけど……私の中にいたみたいに……他の人のお腹の中に入ってる可能性は？」
大野さんが私を見た。
「鎌男の中にも腹の虫いるってこと？」
「……だとしたら、どうやって退治すればいいの？」
「……」
「私には櫻井さん達がいたから追い出せたけど鎌男には……」
大野さんがゆっくり瞬きした。
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にのきょん(プロフ) - 終わるのが悲しすぎるくらいにこのお話大好きです。10回以上は読んでるので最近櫻井くん達と一緒に謎解きしちゃってます笑笑 (2020年3月3日 14時) (
レス) id: 2efb088670 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - よしのさんのお話はドラマ化して欲しい…頭ン中では勝手にドラマ化してますけど実写で見たいです。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 待ってましたぁぁ！！主人公と櫻井さんの、このもどかしい関係がたまらず夜も眠れません。徐々に核心に迫っていくストーリーにもワクワクが止まりません。最高です大好きです！！次の更新も楽しみに待っております…！！ (2020年3月3日 4時) (レス) id: 5cdf0b4209 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 結末が気になりすぎちゃうので、よしのさんのお話は完結してから読むようにしています。読むのとても楽しみです(^^)無理せずに更新してくださいね！ (2020年3月2日 21時) (レス) id: df1a3da33b (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - ドキドキしましたァー！更新嬉しいです！ありがとうございます！これからも無理せず、けれども遅くなりすぎずにお願いします！ (2020年3月2日 17時) (レス) id: d31a60eebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月6日 8時
